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介護施設の給食にかかるコストを削減するには? 見直す方法や完全調理品を活用するメリットを解説

介護施設では、食材費や光熱費の高騰に加え、慢性的な人手不足によって給食に関わる業務の負担が年々大きくなっています。限られた予算の中で、安全でおいしい食事を提供し続けることに課題を感じている施設も多いのではないでしょうか。

そのような状況で、自前調理だけを続けたり、食材費だけを削減したりすると、現場の負担が増え、食事の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。給食にかかるコストを削減するためには、調理方法や仕入れ体制を含めた給食に関わる業務全体を見直すことが大切です。

そこで本記事では、介護施設の給食にかかるコストが増加している背景や見直す方法、調理済み食材を活用するメリット・注意点、効率的な仕入れ先の選び方について詳しく解説します。

【この記事で分かること】
● 給食にかかるコストは、食材費だけではなく人件費や業務コストも含めて見直すことが重要である
● 完全調理品や加工済み食材を活用すると、人件費や食材ロスなどを含めたトータルコストの削減が期待できる
● 仕入れ先を集約し、給食に関わる業務全体を効率化することが継続的なコスト削減につながる

介護施設における給食にかかるコストの現状

介護施設の給食に関わる業務では、食材費の上昇だけではなく、人件費や光熱費などさまざまなコストが増加しています。まずは、給食にかかるコストが増加している主な背景について確認していきましょう。

食材費・光熱費の高騰が続いている

介護施設では、食材費と光熱費の高騰が給食にかかるコストを押し上げる大きな要因となっています。天候不順や円安の影響を受け、原材料や輸入食材の価格は高止まりが続いているためです。

また厨房では調理や洗浄を毎日行うため、ガス・電気・水道などの使用量も多くなります。エネルギーコストの上昇は日々の給食に関わる業務に直接影響し、施設経営全体の負担につながるでしょう。

人手不足や人件費の上昇が負担となっている

介護業界では慢性的な人手不足が続いており、給食に関わる業務を担う厨房スタッフの確保が年々難しくなっています。特に早朝や夜間の勤務に対応できる人材は限られており、必要な人員を確保できない施設も少なくありません。

さらに、最低賃金の引き上げに加え、人材募集に必要な広告費や採用費用も増加しています。人件費は給与だけではなく採用コストも含めて上昇しており、給食にかかるコストを押し上げる要因の一つとなっているのです。

介護報酬の基準費用額との乖離が生じている

介護施設では、介護報酬における食費の基準費用額と実際の給食にかかるコストとの間に差が生じるケースも増えています。食費の基準費用額は2026年8月より日額1,545円に設定されますが、実際には材料費と人件費の合計がこれを上回る施設も少なくありません。

多くの施設では差額を施設側が負担しており、給食部門の収支が厳しくなる傾向にあります。このような状況から、給食にかかるコスト全体の構造を見直す必要性が高まっています。

※参考:厚生労働省.「介護保険法第五十一条の三第二項第二号に規定する居住費の負担限度額及び同法第六十一条の三第二項第二号に規定する滞在費の負担限度額の一部を改正する件について(通知)」.https://www.mhlw.go.jp/content/001673838.pdf ,(2026-03-13).

介護施設の給食にかかるコストが増加しやすい主な原因

介護施設の給食にかかるコストは、先述した食材費や光熱費、人件費などの上昇だけで決まるものではありません。日々の厨房での業務や施設運営の中にも、コストが増加しやすい原因が数多くあります。

ここでは、給食にかかるコストを押し上げる主な原因について解説します。

食材ロスや廃棄によるコストが発生する

介護施設で自前調理を行うと、食材ロスや廃棄によるコストが発生しやすいです。生鮮食材を使用する場合、皮や骨など調理の過程で食べられない「不可食部」が生じ、その分も仕入れコストに含まれるためです。

また利用者が急に入院や外泊をした場合には欠食が発生し、日持ちしない生鮮食品を廃棄せざるを得ないケースもあります。このような食材ロスが積み重なることで、給食にかかるコストの増加につながっていると考えられます。

発注や検品などの業務負担が大きい

給食に関わる業務では、調理以外の事務作業にも多くの時間と人手が必要です。業者ごとの発注書の作成や納品時の検品、支払い処理などは、人件費として給食にかかるコストに影響します。

特に、冷凍・冷蔵・常温の食材を別々の業者から仕入れている場合には、発注や検品作業を繰り返す必要があります。その結果、スタッフの負担が増え、管理業務にかかるコストも大きくなるでしょう。

調理スタッフの採用・教育にコストがかかる

調理スタッフの採用や教育にも、継続的にコストが発生します。スタッフが離職すると、求人広告の掲載費用や人材紹介会社への手数料などが必要になるためです。

さらに、新しく採用したスタッフが業務に慣れるまでは、研修や教育を行う時間を確保しなければなりません。教育には指導するスタッフの時間も必要となるので、採用と教育にかかるコストが給食部門の大きな負担となります。

介護施設の給食にかかるコストを見直す方法

給食にかかるコストの高騰には、先述したようにさまざまな原因があるため、食材費だけを削減しても改善は難しいでしょう。例えば、食材の選び方や調理方法、仕入れ体制を見直すことで、継続的なコスト削減につながる可能性があります。

ここでは、介護施設で取り組みやすい給食にかかるコストの見直し方法を3つ紹介します。

代替食材や旬の食材を取り入れる

給食にかかるコストを見直す方法の一つが、使用する食材を見直すことです。価格が高騰している食材の代わりに、同等の栄養価を持ちながら価格が安定している代替食材を取り入れると、食事の品質に配慮しながらコストを抑えやすくなります。

また旬の食材は、流通量が多く価格が安定しやすいため、献立に取り入れることで食材費を抑えられるでしょう。このように価格動向に応じて食材を選ぶことも、給食にかかるコストを見直す上で重要なポイントです。

完全調理品や加工済み食材を活用する

完全調理品や加工済み食材を活用することも、給食にかかるコストの見直しにつながります。工場で調理後に冷却または冷凍された食品を仕入れ、施設では再加熱や盛り付けを中心とした運用に切り替える方法です。

施設内での調理工程が減るため、専門の調理スタッフを多く配置する必要がなくなります。その結果、人件費だけではなく光熱費も抑えやすくなり、給食に関わる業務全体のトータルコストの削減が期待できるでしょう。

食材の仕入れ先を一本化する

食材の仕入れ先を見直すことも、給食にかかるコストを抑える方法の一つです。複数に分散している発注先を一本化すると、発注ロットを集約でき、単価交渉がしやすくなる場合があります。

また発注や検品などの業務も減らせる可能性があるため、食材費だけではなく間接的な業務コストの削減にもつながるでしょう。仕入れ先を見直す際は、価格だけではなく運営全体への効果も含めて検討することが大切です。

完全調理品や加工済み食材を介護施設で活用するメリット

先述の通り、完全調理品や加工済み食材を活用すると、食材費だけではなく、給食に関わる業務全体のコスト削減につながる可能性があります。特に人手不足に悩む介護施設では、有効な選択肢の一つといえるでしょう。

ここでは、完全調理品や加工済み食材を導入する主なメリットについて解説します。

食材ロスを減らしてコスト管理がしやすくなる

完全調理品や加工済み食材は、必要な食数分だけを発注・解凍して使用できるので、食材ロスを抑えやすい点がメリットです。急な入院や外泊などで欠食が発生した場合でも、未使用分を無駄にせず対応しやすくなります。

また天候や市場価格の変動を受けにくく、年間を通じて比較的安定した価格で仕入れやすい点も特徴です。食材の廃棄を減らせるだけではなく、コスト管理や予算管理もしやすくなるでしょう。

人件費や光熱費の負担を軽減できる

完全調理品や加工済み食材を活用すると、調理工程を簡略化でき、人件費や光熱費の負担軽減につながります。

施設では湯煎やスチームコンベクションオーブン(スチコン)で再加熱し、盛り付ける作業が中心となります。調理工程が大幅に減るため、必要な作業時間や人員を見直しやすくなり、人件費の削減が期待できるでしょう。

さらに、長時間の煮込み調理や揚げ物調理を行う機会が減ることで、ガスコンロやフライヤーの使用時間も短縮できます。結果として人件費だけではなく、光熱費の削減にもつながるでしょう。

仕込み作業の効率化につながる

完全調理品や加工済み食材を活用すると、仕込み作業を効率化できます。例えば、カット済みの冷凍野菜を使用すれば、野菜を切る工程を省略できます。また骨抜きや皮むきが済んだ魚を導入すれば、下処理にかかる時間を短縮することが可能です。

このように、調理工程を減らすことで、日々の仕込み時間を短縮できます。厨房スタッフの作業負担が軽減されるため、限られた人員でも給食を提供しやすくなるでしょう。

UDF対応商品で個別対応できる

UDF(ユニバーサルデザインフード)対応商品によって個別対応が柔軟にできることも、完全調理品や加工済み食材を介護施設で活用するメリットです。

UDFとは、かむ力や飲み込む力に配慮して作られた食品です。UDFを活用すると、利用者一人ひとりの咀嚼・嚥下レベルに合わせた食事を提供しやすくなります。

施設内でミキサー食や刻み食を一から調理する場合は、通常食とは別に加工する手間がかかります。しかし、UDF対応商品を取り入れることで、こうした個別対応にも効率よく対応しやすくなります。利用者の状態に合わせた食事を提供しながら、個別対応にかかる厨房スタッフの負担も軽減しやすくなるのも利点です。

完全調理品や加工済み食材を導入する際の注意点

完全調理品や加工済み食材には多くのメリットがある一方で、導入前に確認しておきたい注意点もあります。

ただし、これらの課題は運用方法や設備を工夫することで対応できる場合も少なくありません。ここでは、主な注意点と対応方法を紹介します。

新たな厨房機器の初期投資が必要になる場合がある

完全調理品や加工済み食材を導入する際は、再加熱用のスチームコンベクションオーブンや大型の冷凍・冷蔵庫など、新たな厨房機器の導入費用が必要になる場合がある点に注意しましょう。

初期費用を抑えたい場合は、リース契約を活用する方法もあります。また既存の設備で運用できる商品を選べば、新たな設備投資を抑えやすくなるでしょう。

アレルギーや急な食数変更への個別対応が難しい

完全調理品や加工済み食材は、あらかじめ決められた仕様で製造されているため、アレルギー対応や急な食数変更などの個別対応が難しい場合があります。

特定の食材を除去した献立への変更や、利用者ごとの細かな要望に対応できないこともあるでしょう。また必要な食数を事前に発注するケースが多いため、当日の利用者数の増減に柔軟に対応しにくい点に注意が必要です。

そのような場合は、主菜には完全調理品を活用し、副菜や汁物、特別食は施設内で調理する「ハイブリッド方式」を取り入れる方法が効果的です。完全調理品と自前調理を組み合わせることで、業務の効率化と柔軟な個別対応を両立しやすくなるでしょう。

施設ならではの「手作り感」が薄れる懸念がある

完全調理品や加工済み食材を導入すると「心がこもっていないのではないか」と感じられる場合があります。また施設ならではの手作り感が薄れたと受け止められる可能性もあるでしょう。

しかし、手作り感は調理方法だけで決まるものではありません。器や盛り付けを工夫したり、行事食では目の前でご飯を炊く演出を取り入れたりすることで、視覚的な満足感や手作り感を補いやすくなります。

介護食と一般食材で仕入れ先が分かれ管理が複雑になる

介護食メーカーと直接契約した場合は、お米や調味料などの一般食材を別の業者から仕入れる必要がある場合があります。その結果、仕入れ先が増え、発注や在庫管理などの業務も複雑になるでしょう。

また納品のタイミングが異なると、受け取りや検品の回数も増えます。業務効率の低下を防ぐためには、介護食と一般食材をまとめて発注できる仕入れ先を選ぶのも有効な選択肢です。

給食にかかるコストの見直しにつながる食材仕入れ先の選び方

給食にかかるコストを見直すためには、食材価格だけではなく、仕入れ体制や物流体制まで含めて仕入れ先を選ぶことが大切です。

例えば、冷凍・冷蔵・常温の食材をまとめて配送できる「三温度帯一括配送」に対応した業者であれば、納品回数や受け取り、検品にかかる業務を減らしやすくなります。また介護食から通常食材までをまとめて発注できる業者を選ぶと、仕入れ先を集約でき、人件費や配送に関するコストの削減も期待できるでしょう。

さらに、自社配送や在庫連携に対応した物流ネットワークを備えている業者であれば、欠品や納品遅延による追加コストの発生を抑えやすくなります。加えて、献立作成や行事食、代替食材の提案まで対応している業者であれば、栄養士や厨房スタッフの業務負担を軽減できるでしょう。

給食にかかるコストを見直し、効率的な施設運営につなげよう

介護施設の給食にかかるコストを見直すためには、食材費だけに目を向けるのではなく、仕入れや発注業務を含めた給食に関わる業務全体を効率化することが重要です。

例えば、完全調理品や加工済み食材を活用し、仕入れ先を集約すると、人件費や食材ロス、発注・検品などの業務コストを抑えやすくなります。また施設形態や運営方法に合った仕入れ先を選ぶのも、継続的なコスト削減につながるポイントです。

株式会社ニッカネでは、三温度帯一括配送による効率的な配送体制をはじめ、完全調理品や加工済み食材の提案や、介護食から通常食材までの一括仕入れを行っています。介護施設の給食にかかるコストの削減や業務の負担軽減をご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

【参考URL】
https://www.izumo-mirai-foods.jp/column/40
https://kodawari-chef.com/kswp/blog/10948/
https://www.narikoma-group.co.jp/article/hospital-ingredients-cost
https://marutomi-haishoku.com/blog/marutomi-pack/post-3090/
https://fuji-i.com/blog/nursing-home-meal-consignment/
https://kyushokuitaku-hikaku.info/column/reduce-burden/
https://www.meihan-shokuhin.co.jp/blog/meal/merit_demerit_of_foodservices_for_kaigo/
https://well-fed.jp/columns/20250312/
https://eichie.jp/note/questionnaire/questionnaire8

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