介護施設での給食の提供方法を徹底比較! 直営・委託の特徴や食材業者を活用する方法について解説
介護施設では、利用者の健康や生活の質を支えるために、安全で安定した給食を提供することが欠かせません。しかし近年は、人手不足や食材費・人件費の高騰により、給食に関わる業務の負担が大きくなっています。そのため、現在の提供方法を見直したいと考える施設も増えているのではないでしょうか。
給食の提供方法には「直営給食」と「委託給食」という代表的な方法があります。また直営を維持しながら、食材業者を活用して業務負担を軽減する方法も選択肢の一つです。
本記事では、直営給食と委託給食の特徴やメリット・デメリット、コストの違い、さらに食材業者を活用する方法や、自施設に合った給食の提供方法の選び方などについて解説します。
【この記事で分かること】
● 給食の提供方法は、コストだけではなく施設の規模や運営方針も踏まえて選ぶことが重要である
● 直営給食を維持しながら食材業者を活用すると、業務負担を軽減しやすくなる
● 委託業者や食材業者は、サービス内容やサポート体制まで比較して選ぶことが大切である
介護施設における給食の主な提供方法
介護施設で給食を提供する方法には、大きく分けて「直営給食」と「委託給食」があります。ここでは、それぞれの提供方法の特徴について解説します。
直営給食
直営給食とは、施設が給食に関わる業務全体を自ら運営・管理する方法です。施設が調理スタッフや栄養士を直接雇用し、施設内の厨房で献立作成から調理、配膳までを一貫して行います。
また日々の調理の他、食材の仕入れや発注、衛生管理、監査対応なども施設が管理します。このように給食に関わる一連の業務を施設主体で進めることが、直営給食の大きな特徴です。
委託給食
委託給食とは、外部の給食専門会社へ一部または全ての給食に関わる業務を委託する方法です。献立作成や調理、配膳などを専門会社が担い、施設の厨房で調理を行う「現地調理(クックサーブ)」が一般的となっています。
施設ではなく専門の業者が給食に関わる業務を担当するため、ノウハウを生かした運営を行いやすい点が特徴です。
介護施設で給食を直営する主なメリット・デメリット
直営給食は、利用者一人ひとりに合わせた柔軟な対応を行いやすい一方で、施設が給食に関わる業務全体を担うため、運営上の負担も生じます。
ここでは、直営給食の主なメリットとデメリットについて解説します。
【メリット】利用者への柔軟な対応や品質管理を行いやすい
直営給食のメリットは、利用者の状況に合わせて食事内容を柔軟に調整しやすく、施設全体で品質管理を行いやすいことです。現場との距離が近いため、日々の変化を献立や調理に反映しやすくなります。
例えば、利用者の体調や食欲の変化、嗜好を把握しながら、味付けを工夫したり、きざみ食や嚥下食などの食事形態を変更したりできるでしょう。また施設独自の行事食や地域性を取り入れた献立にも柔軟に対応しやすくなります。
さらに、栄養士や介護スタッフ、調理スタッフが日常的に情報を共有すれば、利用者からの要望や食事中の様子を献立の改善に生かしやすくなります。調理工程や提供方法も施設が直接管理できるため、求める品質やサービス水準を維持しやすいのも大きな利点です。
【デメリット】人材確保や運営管理の負担が大きくなりやすい
直営給食では、施設が給食に関わる業務全体を担うので、人材確保や運営管理の負担が大きくなりやすい傾向にあります。
調理スタッフや栄養士の採用、教育、シフト管理は全て施設側が行います。そのため、人材不足の影響を受けやすく、急な欠員が発生した場合には代替要員を確保しにくいことも少なくありません。結果として、現場スタッフの業務負担が増える可能性もあるでしょう。
また献立作成や食材の発注・在庫管理、衛生管理、監査対応なども継続して行わなければなりません。衛生管理の記録やスタッフへの衛生教育も施設の役割となるので、管理業務全体の負担が大きくなりやすい点はデメリットといえるでしょう。
介護施設で給食を委託する主なメリット・デメリット
委託給食は、給食に関わる業務を専門会社へ任せることで運営負担を軽減しやすい一方で、契約内容によっては注意したい点もあります。
ここでは、委託給食の主なメリットとデメリットについて解説します。
【メリット】厨房運営や専門業務を任せやすい
委託給食のメリットは、厨房の運営に必要な業務を専門会社へまとめて任せられることです。施設側の管理負担を軽減しながら、安定した給食の提供につなげやすくなります。
委託給食では、調理スタッフの採用や教育、シフト管理に加え、献立作成や食材発注なども委託会社が担うのが一般的です。施設側は給食に関わる業務に関する管理負担を軽減し、他の業務へ時間を充てやすくなるでしょう。
また専門知識を持つ委託会社が衛生管理を行えば、施設側の監査対応に伴う負担を軽減しやすくなります。さらに、急な欠員が発生した場合でも、委託会社の人員体制によって対応できる場合があり、食事提供を継続しやすいという利点もあるでしょう。
【デメリット】利用者や施設の要望を反映しにくい
委託給食は契約内容に基づいて運営されるので、施設や利用者の要望を柔軟に反映しにくい場合があります。契約で定められた業務範囲に沿って給食を提供するのが基本となるためです。施設独自の行事食や取り組みを実施する場合も、事前に委託会社との調整が必要になるケースがあるでしょう。
また調理を外部の専門会社が担うことから、利用者の体調や嗜好に応じた味付けや食事形態の変更にも時間を要する場合があります。提供時間や食事内容についても、現場の判断だけで変更しにくいことがあるため、契約内容を十分に確認しておくことが大切です。
直営と委託では給食にかかるコストはどう変わる?
直営と委託では、費用が発生する仕組みが異なります。そのため、単純に金額だけを比較するのではなく、どのような費用が含まれるのかを理解することが重要です。
直営給食では、食材費だけではなく、調理スタッフの人件費や社会保険料、採用費、教育費、水道光熱費など、さまざまなコストが発生します。給食に関わる業務全体を自施設で担うので、運営に関わる費用を総合的に管理しなければなりません。
一方、委託は契約内容に応じて費用が決まるのが一般的です。委託費は管理費や人件費、食材費などで構成されており、管理費制や食数に応じた単価制など、契約方式によって費用体系も異なります。施設側は採用や教育などにかかる手間を抑えやすい反面、委託範囲やサービス内容によっては、直営よりも費用が高くなる場合もあるでしょう。
どちらが安いかだけで判断するのではなく、運営体制や施設の状況も踏まえ、総合的に比較・検討することがポイントです。
食材業者を活用して負担を軽減する方法もある
給食の提供方法は、直営と委託のどちらかを選ぶだけではありません。直営給食を維持しながら、食材業者のサービスを活用して一部の業務負担を軽減する方法もあります。
食材業者のサービスを活用すると、給食に関わる業務にどのような変化が生まれるのかを確認していきましょう。
一括配送で納品・検品業務を効率化できる
介護施設では、冷凍・冷蔵・常温など異なる温度帯の食材を使用します。仕入れ先が複数に分かれていると、それぞれの納品対応や検品作業が必要となり、日々の業務負担が大きくなりがちです。
そこで、冷凍・冷蔵・常温の商品をまとめて一括配送できる食材業者を活用すると、複数業者への対応を減らしやすくなります。納品時間の調整や検品の回数も減らせるため、厨房スタッフや事務担当者の負担軽減につながるでしょう。
介護食から通常食材までまとめて管理しやすい
介護施設では、常食だけではなく、きざみ食やソフト食などの介護食に加え、精肉や鮮魚、野菜など多種多様な食材を管理する必要があります。仕入れ先が増えるほど、発注や管理業務も複雑になるでしょう。
介護食から通常食材までまとめて相談・発注できる食材業者を利用すると、食材ごとに分かれていた発注や納品、請求書確認の手間を削減しやすくなります。管理業務をシンプルにできるため、事務担当者や本部側の業務負担の軽減も期待できます。
献立作成やメニュー提案を相談できる
施設の担当者は、栄養バランスだけではなく、食形態や季節感、行事食まで考慮しながら献立を作成しなければなりません。毎日の献立を考える業務は、担当者にとって大きな負担となることがあります。
食材業者を活用し、介護食やソフト食、季節メニュー、行事食などについて相談すると、献立作成やメニュー検討の負担を軽減しやすくなります。また、さまざまな提案を受けられるため、メニューのマンネリ化を防ぎ、利用者の食事満足度の向上にもつながるでしょう。
安定した供給体制で欠品リスクを抑えられる
介護施設では、毎日の食事提供を止められません。そのため、食材の欠品や納品遅れは、給食の提供業務に大きな影響を与えるリスクとなります。
拠点間物流や在庫連携システムを備えた食材業者を活用すると、万が一トラブルが発生した場合でも代替供給ルートを確保しやすくなります。その結果、欠品リスクを抑えながら、安定した給食の提供につながるでしょう。
介護施設に合った給食の提供方法の選び方
給食の提供方法にはそれぞれ異なる特徴があるため、施設の状況や運営方針に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは、給食の提供方法を検討する際の主な判断基準について解説します。
施設の規模や人員体制に合わせて検討する
給食の提供方法は、施設の規模や人員体制によって適した選択肢が変わります。施設ごとに抱える課題や運営体制が異なるためです。
例えば、小規模で人員に余裕があり、利用者一人ひとりのニーズに細かく対応したい施設では、直営給食が選択肢になりやすいでしょう。一方、大規模施設や、慢性的な人手不足・採用難に悩む施設では、管理負担を軽減しやすい委託給食や食材業者の活用を推奨します。
重視したい運営方針に合わせて選ぶ
給食の提供方法は、施設が何を重視したいかによっても選び方が変わります。運営方針と各運営方法の特徴を照らし合わせて検討することが大切です。
手作りの温かさや独自の行事食、日々のコミュニケーションを通じた細やかな個別対応を重視する場合は、直営給食が選択肢になりやすいでしょう。また安定した品質や適切な衛生管理、労務管理の負担軽減を優先する場合は、委託給食が適しています。
直営給食の柔軟性を維持しながら発注や検品業務を効率化したい場合は、食材業者を活用する方法も有効な選択肢です。
委託業者や食材業者を比較する際に確認したいポイント
委託業者や食材業者を比較する際は、価格だけで判断するのではなく、サービス内容や運営体制も含めて総合的に確認することが大切です。
ここでは、自施設に合った業者を比較・検討する際に確認したいポイントを紹介します。
見積もりの内訳や費用が明確か
見積金額だけを比較すると、適切な判断が難しくなる場合があるので注意しましょう。例えば、提示された費用が極端に安い場合は、必要な人員や材料費が抑えられ、品質の低下や業者の撤退につながる恐れがあります。そのため、人件費の前提条件や食材単価、消耗品・保守費用の負担区分などの詳細をしっかりと確認しましょう。
また複数社を比較する際は、見積もりの項目や費用負担の範囲など前提条件をそろえた上で検討することが大切です。
衛生管理や品質管理の体制が整っているか
安全で安定した給食の提供につなげるためには、衛生管理や品質管理の体制を確認することが欠かせません。
例えば、衛生管理が適切に行われているか、アレルギー対応のルールが整備されているかなどを確認するとよいでしょう。また定期的な衛生監査を実施しているかも確認したいポイントです。
さらに、品質を維持するための管理体制が整っているかも重要です。衛生面だけではなく、継続して安定した給食を提供できる体制かどうかを確認することで、施設に合った食材業者かどうかを判断しやすくなります。
災害時や欠員時にも安定して対応できるか
介護施設では、災害や急な欠員が発生した場合でも、給食の提供を継続できる体制が求められます。そのため、通常時だけではなく緊急時の対応体制も確認しておくことが大切です。
委託業者を比較する際は、スタッフが急に欠勤した場合に、近隣事業所から応援できる体制が整っているかを確認しましょう。また食材業者の場合は、拠点間物流や在庫連携によって安定供給できる体制があるかが重要な判断材料となります。
直営・委託・食材業者を比較し、介護施設に適した方法を選ぼう
直営給食と委託給食には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。そのため、コストだけではなく、施設の規模や人員体制、運営方針も踏まえながら、自施設に合った給食の提供方法を総合的に判断することが大切です。
また直営給食を維持したい場合でも、食材業者を活用することで、発注や納品、献立作成などの業務負担を軽減できる場合があります。委託業者や食材業者を比較する際は、サービス内容やサポート体制まで確認し、施設の課題や目的に合った業者を検討しましょう。
株式会社ニッカネでは、三温度帯一括配送をはじめ、介護食から通常食材までをまとめて仕入れられる体制や、調理済み食材の提案を通じて、直営給食を維持しながら業務負担の軽減や業務効率化を支援しています。給食の提供方法の見直しをご検討の際は、ぜひご活用ください。
【参考URL】
https://www.izumo-mirai-foods.jp/column/23
https://nkk-inc.com/column/useful/post-8834/
https://www.meihan-shokuhin.co.jp/blog/meal/difference_of_lunchsystem/
https://www.narikoma-group.co.jp/article/food-outsourcing-cost
https://oishisa-fumi.com/write/school-lunch-outsourcing-vs-inhouse-guide/
https://www.meihan-shokuhin.co.jp/blog/meal/cost_comparison_foodservices/
https://kodawari-chef.com/kswp/blog/27268/
https://www.leoc-j.com/business/column/114/
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