厨房の業務効率化を進めよう! 確認すべきポイントと具体的な改善方法を解説
病院や介護施設の厨房では、慢性的な人手不足が大きな課題となっています。中には「求人を出しても応募が集まらない」「現在のスタッフの負担が大きく、離職が心配」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
人手不足を放置すると、スタッフへの負担だけではなく、給食の品質や施設の運営にも影響を及ぼす可能性があります。
そこで本記事では、厨房で人手不足が生じる原因や現場に与える影響、人手不足への対応方法、対策を進める際に確認したいポイントについて解説します。
【この記事で分かること】
● 厨房に関する業務全体を見直すことで、限られた人員でも安定した運営につながる
● 業務効率化によって、スタッフの負担を軽減しながら食事の品質を維持しやすくなる
● 献立や調理工程、管理業務を見直すことで、持続可能な運営を実現しやすくなる
厨房で業務効率化が求められる背景
厨房では人手不足や調理業務の複雑化、コスト増加などの課題が重なっています。特に医療・福祉分野では慢性的な人手不足が続いており、給食業界でも十分な人員を確保しにくい状況です。
従来と同じ運営方法では現場の負担が大きくなりやすく、限られた人数でも効率よく業務を進められる仕組みが欠かせません。
さらに、利用者一人ひとりの状態に応じて、きざみ食やソフト食などの食形態へ対応する機会も増えています。食形態とは、かむ力や飲み込む力に合わせた食事形態のことです。提供する食事が多様化することで調理工程が複雑になり、厨房スタッフの負担も増えやすくなっているでしょう。
加えて、食材費や光熱費の高騰によって厨房の運営にかかるコストも増加しています。このような背景から、厨房の業務全体を見直し、生産性を高める取り組みが求められています。
厨房の業務を効率化することで得られる主なメリット
厨房の業務を効率化するメリットは、作業時間を短縮できるだけではありません。スタッフが働きやすい環境づくりや給食の品質の維持など、運営全体にさまざまな効果が期待できます。
ここでは、厨房の業務を効率化することで得られる主なメリットを見ていきましょう。
労働環境が改善する
厨房の業務を効率化すると、労働環境の改善にもつながります。調理工程や作業時間を見直せば、スタッフ一人ひとりの業務負担を軽減しやすくなるためです。
その結果、体への負担だけではなく、時間に追われることによる心理的な負担も軽減しやすくなります。日々の業務に余裕が生まれれば、落ち着いて業務に取り組めるでしょう。また業務負担が適切に分散されることで、急な欠勤や繁忙時にもスタッフ同士でフォローしやすい体制を整えやすくなります。
このように労働環境を整えることは、現在のスタッフが長く働き続けられる環境づくりにも寄与します。離職防止や人材確保にもつながり、限られた人数でも厨房の運営を安定した状態で続けやすくなるでしょう。
食事の品質を維持しながら提供できる
厨房の業務を効率化すると、食事の品質を維持しながら食事を提供しやすくなります。業務手順を整理したり、調理工程を標準化したりすることで、担当するスタッフが変わっても、品質にばらつきが生じにくくなるためです。
また業務が整理されると、衛生管理にも継続して取り組みやすくなります。日々の管理を徹底しやすくなるため、安全性にも配慮しながら、利用者へ安定した品質の給食を提供できるでしょう。
サービスの質を高めやすくなる
厨房の業務を効率化すると、スタッフに時間的・心理的な余裕が生まれます。時間に余裕が生まれると、丁寧な盛り付けや利用者の状態に応じたきめ細かな対応など、人にしかできない業務に取り組みやすくなります。日々の業務負担が軽減されることで、利用者一人ひとりに向き合う時間を確保しやすくなるためです。
このように、厨房の業務を効率化する目的は、作業を減らすことだけではありません。創出した時間を利用者への対応に生かし、利用者の満足度や施設全体のサービスの品質を向上させるといった重要な目的もあります。
厨房の業務を効率化するために見直すべきポイント
厨房の業務を効率化するためには、具体的な改善策を取り入れる前に、現状の課題を把握することが大切です。まずは、作業負担が大きい工程や改善すべき部分を整理し、自施設の課題を明確にしましょう。
ここでは、厨房の業務の中でも特に見直すべきポイントについて解説します。
献立やメニュー内容
厨房の業務を効率化するためには、まず献立やメニュー内容を見直すことが重要です。調理時間や作業量のバランスによっては、特定の時間帯に業務が集中しやすくなるためです。
例えば、手数が多い料理を組み合わせると、下処理や加熱、盛り付けなどの作業が重なり、業務負担が大きくなる場合があります。手数とは、料理を完成させるまでに必要な下処理や調理工程などの作業量のことです。
調理時間や手数のバランスを考慮しながら献立を組み立てれば、作業負担を分散しやすくなり、限られた人数でも効率よく業務を進められるでしょう。
調理工程や作業導線
調理工程や作業導線を見直すのも、厨房の業務を効率化するポイントです。工程に無駄や重複があると、作業時間が長くなり生産性が低下しやすくなります。
また調理や配膳、片付けなどでスタッフ同士の動線が重なると、移動や作業に無駄が生じることも少なくありません。例えば、食材の保管場所と調理スペースが離れている場合や、複数のスタッフが同じ場所を行き来する配置になっている場合は、移動時間が積み重なり作業効率が低下しやすくなります。
そのため、調理工程と作業導線を整理し、効率よく作業できる環境になっているかを確認することが重要です。無駄な作業や移動を減らせれば、業務をより円滑に進めやすくなるでしょう。
厨房スタッフの教育体制
厨房の業務を効率化するためには、スタッフ全員が共通の手順で作業できる体制を整えることも重要です。担当者ごとに作業方法や役割が異なると、作業の重複や連携不足が起こりやすくなります。
例えば、作業手順や役割分担をマニュアル化し、新人教育や定期的な研修を通じて共有することで、スタッフ全員が同じ基準で業務に取り組みやすくなります。また業務の進め方を統一できれば、引き継ぎや連携も円滑に行えるでしょう。その結果、業務の属人化を防ぎながら、業務を効率よく進めやすくなります。
管理業務や食材の供給体制
厨房の業務を効率化するためには、調理以外の管理業務や食材の供給体制も見直すことが大切です。発注や在庫管理、検品などに時間がかかると、厨房に関する業務全体の負担が大きくなります。
また食材の供給体制が非効率な場合は、受け取りや在庫管理にも手間がかかり、日々の運営へ影響を及ぼす可能性があります。管理業務に時間を取られると、本来優先したい調理や利用者への対応に十分な時間を確保しにくくなることもあるでしょう。
こうした周辺業務も含めて見直し、厨房の業務全体を整理すれば、より効率的な運営につながるはずです。
厨房の業務効率化を進めるための具体的な方法
厨房の業務を効率化する方法は一つではありません。施設の課題に合わせて複数の取り組みを組み合わせることで、より効果的な改善につながる場合があります。
施設によって抱えている課題は異なるため、状況に合わせて優先順位を付けながら取り組むことが大切です。ここでは、厨房の業務の効率化を進めるための具体的な方法を紹介します。
献立作成やメニュー提案のサービスを活用する
献立作成やメニュー提案のサービスを活用することは、厨房の業務を効率化する方法の一つです。献立作成にかかる時間を減らせれば、栄養士や厨房スタッフの業務負担を軽減しやすくなります。
献立作成では、栄養バランスだけではなく、季節性や行事、利用者の状況なども考慮する必要があるため、一定の時間と手間がかかります。外部サービスや業者による献立作成やメニュー提案を活用すると、こうした負担を軽減できる可能性があるでしょう。
また季節や行事に沿ったメニューの提案を受けることで、献立のマンネリ化の防止にもつながります。
多機能な調理機器を導入する
多機能な調理機器を導入し、調理工程を効率化する方法も有効です。加熱調理などの工程を効率化すると、厨房に関する業務の負担を軽減しやすくなります。
例えば、温度や時間の管理を自動化できる機器を活用すると、調理条件を一定に保ちやすくなるため、仕上がり品質のばらつきを抑えやすくなります。また温度や加熱状況を常に確認する必要がなくなるため、その間に盛り付けや配膳準備など他の作業を進めやすくなるでしょう。
完全調理品や加工済み食材を取り入れる
完全調理品や加工済み食材を取り入れるのも、厨房の業務を効率化する有効な方法です。
完全調理品や加工済み食材は、下処理や調理工程の一部があらかじめ済んでいるため、施設内で行う作業量を減らせます。特に、野菜のカットや下味付け、加熱済み商品の活用などは、仕込み時間の短縮につながります。その結果、ピーク時の仕込みや調理にかかる負担を抑えられるでしょう。
このように調理工程を見直すことで、限られた人数でも日々の給食を無理なく提供できる体制を整えやすくなります。
作業手順を標準化し、デジタルツールを活用する
作業手順を標準化し、デジタルツールを活用することも、厨房の業務の効率化につながります。誰もが同じ手順で作業できる環境を整えると、業務の属人化や作業の重複を防ぎやすくなるためです。
まずは、調理前の準備から片付けまでの流れをマニュアル化し、役割分担や連携方法をスタッフ間で共有しましょう。先述した通り、スタッフ全員が共通の基準で作業できるようになれば、引き継ぎや連携も円滑に進められます。
またデジタルツールを活用すれば、発注や在庫管理、食数管理などの業務を効率化できます。作業時間の短縮や入力ミスの防止にも役立つので、管理業務全体の負担軽減や効率化にもつながるでしょう。
食材の仕入れ先を一本化する
食材の仕入れ先を一本化することも、厨房の業務の効率化につながる方法です。発注から納品、検品、請求管理までの業務をまとめると、日々の管理業務をシンプルにできます。
複数の仕入れ先を利用している場合は、それぞれへ発注し、納品日を調整しながら請求管理も行わなければなりません仕入れ先を一本化すると、厨房スタッフだけではなく、事務担当者や本部側の負担軽減にもつながります。
安定供給に対応できる仕入れ体制を整える
厨房の業務を円滑に進めるためには、食材を安定して調達できる仕入れ体制を整えることも重要です。欠品や納品遅延のリスクを抑えると、給食を計画通り提供しやすくなります。
例えば、冷凍・冷蔵・常温の各温度帯に対応した三温度帯一括配送や、拠点間物流・在庫連携に対応した仕入れ先を活用するとよいでしょう。急な欠品が発生した場合にも代替品を手配でき、食材を確保しやすくなります。
このような仕組みを取り入れると、食材の調達状況に左右されにくくなり、利用者へ継続して食事を提供できる体制が整います。
厨房の業務効率化を進め、利用者により良い食事を届けよう
厨房に関する業務の効率化は、人手不足への対応だけを目的とした取り組みではありません。スタッフの負担を軽減しながら食事の品質を維持・向上し、持続可能な運営につなげるためにも重要です。
まずは、献立や調理工程、管理業務など、施設で改善できるポイントを見直し、無理のない範囲から取り組むことをおすすめします。改善しやすい業務から段階的に取り組むことで、現場への負担を抑えながら継続的な業務改善につなげやすくなるでしょう。
また施設だけでの対応が難しい場合は、献立作成支援や完全調理品、食材の仕入れサービスなどを活用するのも有効な方法です。
株式会社ニッカネでは、献立作成支援をはじめ、完全調理品や加工済み食材の提案、三温度帯一括配送による仕入れの一元化や安定供給など、厨房の業務の効率化に役立つサービスを提供しています。厨房に関する業務の効率化に向けた取り組みをご検討の際は、ぜひご活用ください。
【参考URL】
https://www.narikoma-group.co.jp/article/cookchill-kitchen-efficiency
https://www.hoshizaki.co.jp/penguin-eyes/archive/efficient-cooking_250527/
https://www.meihan-shokuhin.co.jp/blog/meal/optimization/
https://www.hattorikogyo.com/blog/column/a389
https://kyushokukanri-soft.info/column/foodservice-site-efficiency/
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