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給食を提供する施設で人手不足が深刻化する原因とは? 現場の負担を軽減する5つの対策

病院や介護施設の厨房では、慢性的な人手不足が大きな課題となっています。中には「求人を出しても応募が集まらない」「現在のスタッフの負担が大きく、離職が心配」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

人手不足を放置すると、スタッフへの負担だけではなく、給食の品質や施設の運営にも影響を及ぼす可能性があります。

そこで本記事では、厨房で人手不足が生じる原因や現場に与える影響、人手不足への対応方法、対策を進める際に確認したいポイントについて解説します。

【この記事で分かること】
● 人手不足は、社会全体の労働力不足と給食需要の増加が重なって生じている
● 人員を増やすだけではなく、業務改善にも取り組むことで人手不足の軽減につながる
● 仕入れや調理工程を見直すことで、限られた人数でも給食を提供しやすくなる

給食を提供する施設における人手不足の現状

給食を提供する施設では、人手不足が年々深刻化しています。まずは、人手不足が進んでいる主な背景について確認しておきましょう。

少子高齢化により労働人口が減少している

給食を提供する施設で人手不足が深刻化している背景には、日本全体の少子高齢化があります。若年層を中心とした労働人口が減少しており、あらゆる業界で人材確保が難しくなっているのです。

内閣府の推計では、2030年には65歳以上の割合が30%を超えると見込まれており、いわゆる「2030年問題」として人手不足の深刻化が懸念されています。また2024年の合計特殊出生率は過去最低の1.15となり、今後も労働力不足が続くことが予想されます。

※参考:内閣府.「令和6年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」.“第1章 高齢化の状況”.https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf ,(参照2026-07-15).

※参考:厚生労働省.「令和6年(2024) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/gaikyouR6.pdf ,(参照2026-07-15).

給食の需要が高まる中で人材確保が難しくなっている

高齢化が進む中、病院や介護施設の利用者は増加傾向にあります。それに伴って提供する食事の数も増えるため、給食を提供する施設の業務量も年々大きくなっているのが現状です。

一方で、人材の供給は需要の増加に追いついていません。厚生労働省の労働経済動向調査でも、給食業界が含まれる「宿泊業、飲食サービス業」は、特にパートタイマー不足が深刻な業種とされています。

給食の需要が増え続ける一方で働き手が不足していることから、現場では限られた人数で業務を回さなければならない状況が続いています。

※参考:厚生労働省.「労働経済動向調査(令和7年8月)の概況」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2508/dl/7roudoukeizaidouko.pdf ,(2025-09-24).

給食を提供する施設で人手不足が生じる主な原因

給食を提供する施設の人手不足の原因は、一つだけではありません。勤務形態や業務内容、人材構成、運営コストなど、さまざまな原因が重なることで人材の確保や定着が難しくなっています。

ここでは、給食を提供する施設で人手不足が生じる主な原因について確認していきましょう。

早朝勤務やシフト制で働きにくい

施設では、朝食・昼食・夕食を毎日決まった時間に給食を提供する必要があります。そのため、365日体制で運営する施設も多く、一般的な勤務形態とは異なる働き方になりやすいです。

例えば朝食を提供する場合、深夜や明け方から仕込みを始める必要があります。始発の公共交通機関では間に合わず、宿直を伴うケースもあるため、生活リズムが乱れやすく、体や精神の負担につながることもあるでしょう。

またシフト制の勤務は休日を固定できず、ワークライフバランスを保ちにくい傾向にあります。このような勤務形態が、人材の確保や定着を難しくしている原因の一つとなっています。

大量調理や立ち仕事による負担が大きい

給食を提供する施設では、限られた時間内に大量の食事を調理しなければなりません。調理だけではなく、盛り付けや配膳、洗浄まで一連の作業を行う必要があり、日々の業務負担は大きくなりがちです。

作業中は提供時間に間に合わせるため、常に時間を意識しながら業務を進めます。水仕事や立ち仕事が続くことに加え、重い調理器具や食材を扱う場面も多く、体への負担もかかるでしょう。

このような業務内容から「体力が必要な仕事」というイメージを持たれやすく、若い世代から敬遠される一因となっています。その結果、人材の確保が難しくなり、人手不足が生じていると考えられます。

調理スタッフの高齢化が進んでいる

給食を提供する施設では、長年勤務してきたベテランスタッフが現場を支えている職場も少なくありません。豊富な経験や知識を持つ人材がいることで、日々の運営が成り立っている施設も多いでしょう。

一方で「高齢者の食事を高齢者が作っている」といわれる現場もあるほど、高齢スタッフへの依存度が高い状況となっています。しかし、若い世代の人材確保が十分に進まず、世代交代が難しい施設も少なくありません。

今後、人員補充が追いつかず、必要な人員を確保しにくい状況が続くことも考えられるでしょう。

経験者や有資格者に業務が集中しやすい

病院や介護施設では、安全で適切な食事を提供するため、栄養士・管理栄養士・調理師などの有資格者や経験者が重要な役割を担っています。献立管理や衛生管理など、専門知識が求められる業務も多くあります。

このような業務は誰でもすぐに対応できるものではありません。現場では、特定のスタッフへ業務が集中しやすく、業務が属人化するケースも見られます。その結果、一部のスタッフへ負担が偏りやすくなり、離職や人材の定着にも影響を及ぼす場合があるでしょう。

また専門知識や経験を持つ人材は限られているため、欠員が発生しても代替人材をすぐに確保することは容易ではありません。このように専門人材の確保や定着が難しいことも、人手不足が生じる要因の一つです。

給食にかかるコストが増加している

病院や福祉施設の給食は、限られた予算の中で提供されています。そのため、人件費や食材費が高騰しても、価格へ転嫁しにくいという課題があります。

コストが増加しても、人件費を十分に確保することは難しく、基本給や時給などの待遇改善が進みにくい状況です。結果として、他業界と比べて人材を確保しづらくなる場合があります。

このように、給食運営にかかるコストの増加は、現場の負担だけではなく、人材不足を招く要因の一つになっています。

人手不足が給食を提供する施設にもたらす主な影響

人手不足は、調理スタッフの負担が増えるだけではありません。給食の提供体制や安全管理、施設運営にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、人手不足によって給食を提供する施設で生じやすい主な影響について解説します。

一人当たりの業務量が増えやすい

人手不足になると、限られた人数で毎日の給食に関する業務を担当しなければなりません。その結果、一人当たりの業務量が増え、現場の負担が大きくなります。

調理や配膳、洗浄などの業務を少人数で行うため、早出勤務や残業が常態化しやすくなります。十分な休息を取りにくくなり、日々の疲労も蓄積しやすくなるでしょう。

このように業務負担が大きい状況が続くと、心身への負担から離職につながる可能性があります。離職後も十分な人員を確保できない場合は、残ったスタッフの業務量がさらに増え、新たな離職を招くという悪循環に陥ることも少なくありません。

アレルギーへの対応や衛生管理への影響が懸念される

給食では、安全な食事を提供するために、丁寧な確認作業や衛生管理が欠かせません。しかし、人手不足によって業務量が増えると、スタッフは時間に追われながら作業を進めることになります。

その結果、アレルギー対応食やきざみ食など、個別対応が必要な食事で配膳ミスが発生するリスクが高まる可能性があります。

また衛生管理に必要な時間や人員を十分に確保できなくなると、食中毒など重大な事故につながる恐れもあるでしょう。安全な給食を提供するためにも、人員に余裕を持った体制を整えることが重要です。

安定した給食の提供が難しくなることがある

給食は、病院や福祉施設において毎日欠かせないサービスです。そのため、安定した提供体制を維持することが求められます。

しかし、人手不足が深刻化すると、日々の業務を継続すること自体が難しくなる場合があるでしょう。特に少人数で運営している施設では、人員不足の影響を受けやすい傾向にあります。

スタッフが一人でも急に欠勤や退職をすると、給食の提供だけではなく施設の運営全体にも影響を及ぼす可能性があります。人手不足は現場だけの問題ではなく、施設全体の安定した運営にも関わる重要な課題といえるでしょう。

給食を提供する施設の人手不足の影響を軽減する5つの対策

給食を提供する施設の人手不足の影響を軽減するには、業務の進め方や運営体制も見直すことが大切です。ここでは、人手不足による負担を軽減するための5つの対策を紹介します。

柔軟な働き方や多様な人材の活用を進める

人材を確保し、長く働いてもらうためには、求職者が働きやすい環境を整えることが重要です。例えば、給与を見直して処遇を改善するとともに、短時間勤務など柔軟なシフトを導入することで、定着につながる環境を整えられます。

また女性や高齢者が働きやすいように担当する業務を見直すことも有効です。さらに、外国人技能実習制度などを活用して多様な人材の受け入れを進めることで、人材不足への対応につながる可能性があります。

食材の仕入先を一本化する

食材の仕入先を見直すことも、人手不足による負担を軽減する方法の一つです。複数の業者へ発注している場合は、管理業務に多くの時間を要することがあります。

食材ごとに発注先が分かれていると、発注や納品時の検品、請求書の確認などを繰り返さなければなりません。このような場合、調理スタッフだけではなく、事務担当者の業務負担も大きくなります。

幅広い食材をまとめて納品できる業者へ仕入先を一本化すると、発注や検品の手間を減らしやすくなります。請求管理も効率化しやすくなるため、給食に関わる業務全体の負担を見直しやすくなるでしょう。

自動調理機や食材業者のサービスを活用する

自動調理機や食材業者のサービスを活用し、業務を効率化することも有効です。現場スタッフの負担を減らすことで、人手不足の影響を抑えやすくなります。

例えば、炒める・混ぜる作業には攪拌(かくはん)機付き自動調理機や回転釜を活用すると、身体的な負担を軽減できます。調理工程を効率化することで、限られた人員でも作業を進めやすくなるでしょう。

また献立作成・メニュー提案に対応した食材業者を活用する方法もあります。献立作成の負担を軽減できるだけではなく、季節や利用者に合わせたメニューを取り入れたり、メニューのマンネリ化を防いだりすることにも役立ちます。

完全調理品や加工済み食材を取り入れる

人手不足の現場では、調理工程そのものを減らすことも重要です。下処理や調理の手間を減らすことで、少人数でも給食を提供しやすくなります。

例えば、完全調理品やカット済みの冷凍野菜などを活用すると、仕込みや下処理にかかる負担を軽減できます。

またムース食ややわらか食などの介護食、とろみ調整剤、やわらか調味料などを取り入れることで、個別対応への負担を抑えながら、安全で利用者に適した食事を提供しやすくなるでしょう。

給食委託やセントラルキッチンを利用する

必要な調理スタッフを確保することが難しい場合は、給食の運営体制そのものを見直す方法もあります。給食に関わる業務の一部または全てを給食委託会社へ委託すると、人材確保や管理にかかる負担を軽減しやすくなるでしょう。

また複数施設を運営している場合は、セントラルキッチンを活用する方法も選択肢の一つです。調理機能を集約することで、人員配置や衛生管理を効率化しやすくなります。施設の運営状況に合わせて、このような方法も含めて検討するとよいでしょう。

現場の負担を軽減し、人手不足に対応できる施設を目指そう

給食を提供する施設の人手不足は、少子高齢化や給食需要の増加だけではなく、勤務環境や業務負担、運営コストなど複数の要因が重なって生じています。そのため、採用活動だけで解決することは難しく、全体の業務を見直すことが重要となるでしょう。

人手不足の影響を軽減するには、仕入れ体制や調理工程を見直したり、調理機器や給食支援サービスを活用したりすることが有効です。これらの対策を取り入れることで、限られた人員でも給食を提供しやすい環境づくりにつながります。

株式会社ニッカネでは、三温度帯一括配送による仕入先の一本化をはじめ、献立作成やメニュー提案への対応、骨取り魚・カット済み野菜・完全調理品・介護食など幅広い商品をご用意しています。業務負担の軽減などを通じて人手不足への対応をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

【参考URL】
https://nkk-inc.com/column/useful/post-9796/
https://www.narikoma-group.co.jp/article/food-short-staffed
https://www.yuanexus.co.jp/blog/%E7%B5%A6%E9%A3%9F%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%89%8B%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E8%A7%A3%E6%B6%88%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B/
https://inrevo.co.jp/hitotore-recruit/column/02_hospital_chubou-hitodebusoku
https://kurumi-kyushoku.com/blog/blog-386/
https://www.hattorikogyo.com/blog/column/a401

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