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介護施設の人手不足が深刻化する理由とは? 施設への影響や5つの対応策を分かりやすく解説

少子高齢化が進む中、介護サービスを必要とする高齢者は年々増加しています。一方で、介護施設では慢性的な人手不足が続いており、十分な人員を確保できない施設も少なくありません。

人手不足を放置すると、職員一人ひとりの負担が増え、離職につながる恐れがあります。その結果、介護サービスの質や安全性の低下だけではなく、施設経営にも大きな影響を及ぼすこともあるでしょう。

そこで本記事では、介護施設で人手不足が深刻化している理由や施設への影響、人手不足に対応する5つの方法について解説します。

【この記事で分かること】
● 人手不足への対応は、採用強化だけではなく業務効率化と職場環境の改善を並行して進めることが重要
● 厨房での業務の見直しは、職員の負担軽減と介護施設の安定運営につながる
● 複数の対策を組み合わせることで、限られた人数でも安定した施設運営を目指せる

介護施設における人手不足の現状

介護施設では、人手不足が一時的な問題ではなく、長期的な課題となっています。まずは、介護業界で人手不足が続いている現状について確認していきましょう。

介護業界では慢性的な人手不足が続いている

介護業界では、求人を出しても人材を確保しにくい状況が続いています。その理由の一つが、有効求人倍率の高さです。有効求人倍率とは、求職者1人当たりに対して何件の求人があるかを示す指標であり、数値が高いほど人材確保が難しい状況を指します。

厚生労働省によると、2025年3月時点の有効求人倍率は全職業で1.16倍だったのに対し、介護関係職種は3.97倍でした。全職業平均を大きく上回っており、介護職では慢性的に人材が不足している状況です。求人を継続していても応募が集まりにくく、多くの介護施設で人材確保が課題となっています。

※参考:厚生労働省.「介護人材確保の現状について」.“介護分野における人材確保の状況と労働市場の動向~有効求人倍率と失業率の動向~”.https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001485589.pdf ,(2025-05-09).

2025年・2040年に向けて介護人材の不足が見込まれている

介護人材の不足は現在だけではなく、今後さらに深刻化すると見込まれています。背景にあるのが、団塊の世代が75歳以上となり、医療や介護の需要が急増する「2025年問題」です。高齢化が進むと介護サービスの利用者は増加し、介護職員の需要も一段と高まります。

厚生労働省の推計では、2040年度には約272万人の介護職員が必要になる見込みです。現状のままでは約57万人の人材が不足するとされており、介護サービスの提供体制に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

安定した介護サービスを提供し続けるためにも、人材確保と業務改善を並行して進めることが重要です。

※参考:厚生労働省.「「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について」.“第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について”.https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001371773.pdf ,(2025-05-09).

都市部と地方で人手不足の状況に違いがある

介護人材の不足は全国共通の課題ですが、特に都市部では高齢者人口の増加が著しく、介護サービスの需要が急速に高まっています。また地方では人口減少や若年層の流出が進み、介護人材を確保しにくい地域もあります。その結果、人員不足によって介護施設の運営そのものが難しくなるケースもあるでしょう。

このように、人手不足の背景は地域によって異なりますが、いずれの地域でも人手不足への対策を継続的に進めることが求められています。

※参考:厚生労働省.「「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について」.https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001371773.pdf ,(2025-05-09).

介護施設で人手不足が生じる主な理由

介護施設の人手不足は、社会情勢の変化や労働環境、待遇面など、さまざまな要因が重なって生じています。ここでは、介護施設で人手不足が生じる主な理由について確認していきましょう。

少子高齢化により介護ニーズが高まっている

介護施設で人手不足が深刻化している大きな理由の一つは、少子高齢化の進行によって介護サービスの需要が高まっているためです。

2023年時点の高齢化率は29.1%でしたが、2040年には34.8%まで上昇すると推計されています。高齢化率とは、総人口に占める65歳以上の人口割合を指します。高齢者が増えることで介護を必要とする人も増加し、介護サービスの需要は今後さらに拡大していく見込みです。

一方、介護現場を支える年齢の人口は減少が続いています。介護サービスを必要とする人が増えても、それを担う人材が減少しているため、需給バランスが崩れ、介護施設では人手不足が課題となっているのです。

※参考:内閣府.「令和6年度 高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」.“第1章 高齢化の状況”.https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf ,(参照2026-07-14).

身体的・精神的な負担が大きい

介護職が体と心の両面で負担が大きい仕事であることも、人手不足が生じている理由の一つです。

例えば、入浴介助や排泄介助、ベッドから車椅子への移乗介助などは体に大きな負担がかかります。こうした業務を日常的に行うため、腰痛などの体の不調につながるリスクも少なくありません。

また夜勤を含む不規則なシフト勤務では、疲労が蓄積しやすい傾向にあります。利用者やその家族とのコミュニケーションなどによる精神的な負担も重なるので、心身ともに疲弊しやすい状況にあります。

このような身体的・精神的な負担が積み重なることで、介護職の継続が難しくなり、人手不足の深刻化につながっているのです。

賃金や待遇面に課題がある

介護職に従事する人の中には、業務内容や責任の重さに対して、賃金や待遇が見合っていないと感じる人も少なくありません。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、介護職員の平均給与は全産業平均と比較して低い水準となっています。そのため、仕事内容とのバランスに不満を感じるケースもあるようです。

また非正規雇用の割合が高いことや、昇給・賞与の仕組みが分かりにくい施設もあることから、将来のキャリアを描きにくいと感じる人もいるでしょう。賃金だけではなく待遇面も含めた課題が、人材の定着や新たな人材の確保に影響を与えています。

※参考:厚生労働省.「賃金構造基本統計調査」.https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html ,(参照2026-07-14).

介護職に対するイメージが人材確保に影響している

介護職に対する社会的なイメージも、人手不足を招いている理由の一つです。介護職は、労働環境の厳しさから「きつい・汚い・危険」といったイメージを持たれることがあります。そのため、就職や転職を検討する際の選択肢から外されるケースも少なくありません。

また介護職には専門的な知識や技術が求められますが「誰でもできる仕事」という誤ったイメージが広がり、若年層を中心に介護職を志望する人が減少している状況です。

このように、仕事内容へのネガティブな印象が、介護職を志望する人材の確保に影響を及ぼしていると考えられます。

人手不足がもたらす介護施設への主な影響

介護施設の人手不足は、介護現場だけではなく、厨房での業務や施設の運営など幅広い業務にも関わる重要な課題です。

ここでは、人手不足が介護施設にもたらす主な影響について解説します。

厨房・食事提供などの業務負担が大きくなりやすい

人手不足の影響は介護現場だけではなく、厨房や食事提供の現場にも及びます。厨房スタッフの確保が難しく、早朝からの仕込みや調理を少ない人数で行わなければならない施設も少なくありません。

また利用者ごとに常食、きざみ食、ソフト食などの食形態へ対応する必要があるため、調理工程が複雑になりやすく、限られた人数では業務をスムーズに進めにくいこともあるでしょう。さらに、食材を複数の仕入れ先から調達している場合は、納品の受け取りや検品、発注管理などの事務作業も増加し、業務負担がさらに大きくなります。

職員一人ひとりの負担が増えやすい

人手不足になると、職員一人ひとりの業務負担が大きくなります。残業や夜勤の回数が増加すると、十分な休息を確保しにくくなり、心身への負担も蓄積するでしょう。

このような状態が続くと、過度な負担によって心身ともに疲弊するバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥るリスクが高まります。また離職者が発生すると、残った職員の負担がさらに増え、新たな離職につながるという悪循環を招く可能性もあるので注意が必要です。

介護サービスの質や安全性への影響が懸念される

人手不足になると、利用者一人ひとりに対する時間を確保しにくくなります。その結果、状態に合わせた丁寧な個別ケアを行うことが難しくなり、介護サービスの質へ影響を及ぼす可能性があるのです。

また見守りや介助に十分な時間を確保できない場合は、転倒や転落、誤薬、誤嚥などの介護事故が発生するリスクも高まります。さらに経験の浅いスタッフが増えると、介護技術の習得が十分に進まない場合もあるでしょう。その結果、安全な介護サービスの提供が難しくなることが懸念されています。

施設運営への負担が大きくなることがある

人手不足は、介護現場だけではなく施設の運営にも悪影響を与えかねません。人材不足を補うために採用活動を強化すると、求人広告費や人材紹介会社への手数料などの採用コストが増加し、施設運営への負担が大きくなることがあります。

また人員の配置基準を満たせない場合は、新規入居の受け入れを停止せざるを得ないケースもあるでしょう。入居率が低下すると、施設の収益も減少します。採用コストの増加と減収が重なり、施設の経営継続が難しくなるリスクも否定できません。

介護施設の人手不足に対応する5つの方法

介護施設の人手不足を改善するには、働きやすい環境を整えたり、現場の業務を効率化したりするなど、複数の取り組みを組み合わせることで継続的な効果が期待できます。

ここでは、人手不足に対応する5つの方法を紹介します。

食材の仕入れ・発注方法を見直し、厨房での業務負担を軽減する

厨房での業務負担を軽減するには、食材の仕入れや発注方法を見直すことが有効です。例えば、冷凍・冷蔵・常温の食材を一括配送できる業者を利用すれば、複数の納品に対応する手間や検品作業を減らせる可能性があります。

また肉や魚、野菜、介護食、日配品などの発注先を一本化すると、発注管理や請求書の確認などの事務作業の負担も軽減しやすくなるでしょう。

さらに、外部の献立作成サービスやメニュー提案を活用すれば、栄養士や調理担当者の負担軽減にもつながります。このように効率化することで、少ない人数でも業務を回しやすくなります。

働きやすい職場づくりとサポート体制を充実させる

職員が長く働き続けられる環境を整えることも、人手不足への重要な方法です。例えば、シフト自動作成ツールを導入して業務を効率化したり、短時間勤務やフレックスタイム制などの柔軟な働き方を取り入れたりすると、職員が働きやすい環境を整えやすくなります。

また福祉用具などを活用して抱え上げない介護を行う「ノーリフティングケア」を取り入れれば、職員の身体的な負担軽減につながるでしょう。

加えて、外部相談窓口やメンター制度を整備すれば、職員が悩みを相談しやすくなり、精神的なストレスの軽減につながります。働きやすい環境やサポート体制を整えることは、職員の定着や離職防止に役立ち、結果として人手不足の解消につながるはずです。

処遇改善やキャリア形成を支援する

職員の定着率を高めるには、待遇改善とキャリア形成を両立させることが重要です。

介護職員等処遇改善加算は、介護職員の処遇改善を目的とした制度です。この制度を活用し、基本給のベースアップや賞与として職員へ還元すれば、待遇への満足度向上が期待できます。

また勤続年数や保有資格、役割に応じた人事評価制度や賃金体系を整備することも大切です。さらに資格取得費用の補助など、スキルアップを支援する体制を整えることで、職員が将来のキャリアを描きやすくなります。待遇や成長への満足度が高まることで、人手不足の改善も期待できるでしょう。

外国人介護人材など多様な人材を受け入れる

人材確保の選択肢を広げる方法として、外国人介護人材の受け入れも考えられます。特定技能やEPA(経済連携協定)などの制度を活用し、海外から計画的に介護人材を採用する方法を取り入れるとよいでしょう。

ただし、採用するだけではなく、安心して働ける環境を整備するのも欠かせません。例えば、多言語対応のマニュアルを整備したり、生活面をサポートしたりする取り組みが求められます。メンターによる指導体制を整えれば、業務を習得しやすくなり、職場への定着も期待できます。こうした取り組みを継続することで、人材を安定的に確保しやすくなるはずです。

ICTや介護ロボットを活用して業務を効率化する

人手不足が続く介護現場では、限られた人数でも業務を円滑に進められる体制を整えることが重要です。その方法の一つとして、ICTや介護ロボットの活用が挙げられます。

介護記録ソフトやタブレットを導入すると、紙への手書きや転記作業を減らせます。情報共有もリアルタイムで行いやすくなり、事務作業の効率化につながるでしょう。

また見守りセンサーシステムを活用すれば、利用者の離床や体動を把握しやすくなります。その結果、夜間巡回の負担軽減が期待できます。さらに移乗リフトや排泄支援ロボットを導入すると、腰痛リスクを抑えながら、安全性に配慮した介護を行いやすくなるでしょう。

こうした業務の効率化や身体的負担の軽減によって、少ない人数でも業務を進めやすくなり、人手不足が改善できる可能性があります。

人手不足への取り組みを進め、より働きやすい介護施設を目指そう

介護施設の人手不足は、少子高齢化による介護ニーズの拡大や労働環境、待遇面など、さまざまな要因が重なって生じています。人手不足を放置すると、職員の負担増加や介護サービスの質の低下、施設運営への影響につながる可能性があるため、早めに対策を進めることが重要です。

中でも厨房での業務は、日々の負担が大きくなりやすい業務の一つです。仕入れ先を一本化することで、発注や検品などの業務を効率化し、限られた人員でも安定した運営を行いやすくなるでしょう。

株式会社ニッカネでは、冷凍・冷蔵・常温の三温度帯一括配送をはじめ、介護食から一般食材まで幅広い商品を取り扱っています。また同一商品・同一価格による仕入れ管理の効率化や、献立作成やメニュー提案などを通じて、業務の負担軽減と効率化を支援しています。介護施設の人手不足対策や業務の見直しを検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【参考URL】
https://www.sanko-fukushi.com/news/kaigofusoku-colum/
https://onodera-user-run.co.jp/useful/26432/
https://www.cookdeli.com/media/oyakudachi/b129
https://www.careritz.co.jp/magazine/376683/
https://www.carecom.jp/contents/kaigoshisetsu-hitodebusoku-gyoumukaizen/
https://kodawari-chef.com/kswp/blog/5374/
https://marutomi-haishoku.com/blog/marutomi-pack/post-3074/
https://www.narikoma-group.co.jp/article/work-long-working
https://kodawari-chef.com/kswp/blog/11371/

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