介護施設の厨房で人手不足に対応するには? 主な原因や改善方法をチェック

介護施設では、調理スタッフの人材確保が難しく、厨房の人手不足に悩む施設も少なくありません。
人手不足が続くと、スタッフ一人ひとりの業務負担が増えるだけではなく、食事の品質や安定した給食の提供にも影響する可能性があります。そのため、限られた人員でも給食を提供できる体制づくりが重要です。
本記事では、介護施設の厨房で人手不足が深刻化している原因や施設運営への影響、主な対応方法について解説します。クックチルや完全調理品を活用するメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
● 介護施設の厨房では、人材確保の難しさや不規則な勤務形態、業務負担の大きさなどが人手不足の原因となっている
● 厨房の人手不足はスタッフの負担を増やし、食事の品質や給食の提供体制にも影響を及ぼす可能性がある
● 業務の進め方を見直し、クックチルや完全調理品を活用することで、限られた人員でも給食を提供しやすくなる
目次
- 介護施設の厨房で人手不足が深刻化している3つの原因
- 調理スタッフの人材確保が難しくなっている
- 勤務時間が不規則で身体的な負担が大きい
- 食事形態の多様化や衛生管理によって業務負担が増えている
- 厨房の人手不足が介護施設に与える影響
- スタッフの労働時間が増え、離職につながりやすくなる
- 食事の品質や利用者の満足度が低下する恐れがある
- 安定した食事の提供が難しくなる
- 介護施設の厨房における人手不足の改善方法
- システムを活用して事務作業や管理業務を効率化する
- 作業工程や厨房内の動線を見直す
- 外国人材の採用や人材派遣サービスを活用する
- クックチルや完全調理品を活用する
- クックチルや完全調理品を活用する主なメリット
- 調理時間や作業量を調整しやすくなる
- 品質の差を抑えやすくなる
- 衛生管理の負担を軽減できる
- 食品ロスや人件費などのコストを見直せる
- 厨房の業務負担を見直し、人手不足に対応できる体制を整えよう
介護施設の厨房で人手不足が深刻化している3つの原因
介護施設の厨房では、人材確保の難しさに加え、勤務環境や業務負担の大きさなど、さまざまな要因によって人手不足が生じています。
ここでは、人手不足が深刻化している3つの原因について解説します。
調理スタッフの人材確保が難しくなっている
介護施設の厨房で人手不足が生じる原因の一つは、調理スタッフの確保が難しいことです。少子高齢化による労働人口の減少に加え、他業種との採用競争も影響しています。
特に調理経験や専門知識を持つ人材は、飲食店やホテルなどでも求められています。そのため、介護施設が求人を出しても十分な応募が集まらず、採用が長期化する場合があるでしょう。
また既存スタッフの高齢化や退職によって、厨房の人員が減少するケースもあります。新たな人材の採用が追いつかなければ、欠員を補充できず、慢性的な人手不足につながります。
勤務時間が不規則で身体的な負担が大きい
介護施設の厨房では、早朝勤務やシフト制など、不規則な勤務形態も人手不足の原因の一つです。朝食・昼食・夕食を決まった時間に提供する必要があり、土日・祝日も業務が発生するためです。
例えば、朝食の準備では早朝から出勤する必要があります。また休日を固定しにくいため、家庭の事情などで勤務時間や曜日に制約がある人にとっては、働きにくい場合もあるでしょう。
また厨房では長時間の立ち仕事や重い調理器具の運搬、大量の食材の下処理なども行います。こうした身体的な負担も、人材の確保が難しい要因です。
食事形態の多様化や衛生管理によって業務負担が増えている
介護施設の厨房では、利用者の状態に合わせた食事の提供や衛生管理など、さまざまな業務が求められます。そのため、一般的な調理に加えて必要な作業が多く、人手が不足しやすい傾向にあります。
例えば、利用者のかむ力や飲み込む力に応じて、きざみ食やミキサー食、ソフト食などを用意する必要があります。食事形態によって調理や加工の工程が異なるため、同じ献立でも複数の調理作業が発生します。また食中毒を防ぐため、食材の温度管理や調理器具の洗浄・消毒、衛生管理の記録も欠かせません。
このような作業量に見合う人員を確保できない施設では、人手不足が生じやすくなるでしょう。
厨房の人手不足が介護施設に与える影響
厨房の人手不足が続くと、食事の品質や給食の提供体制にも影響する可能性があります。
人手不足が介護施設に与える主な影響について解説します。
スタッフの労働時間が増え、離職につながりやすくなる
厨房の人手不足が続くと、限られた人数で調理や配膳、片付けなどを担うため、スタッフ一人ひとりの労働時間が増えやすいです。
特に、欠員を補うために残業や休日出勤が増えると、十分な休息を確保しにくくなるでしょう。長時間労働が続けば、身体的な疲労だけではなく、精神的な負担も大きくなる可能性があります。
こうした状況が続くと、スタッフの働く意欲が低下し、さらなる離職につながる恐れがあります。退職者が出てもすぐに補充できなければ、残されたスタッフの負担がさらに増え、人手不足が一層深刻化する悪循環に陥りかねません。
食事の品質や利用者の満足度が低下する恐れがある
厨房の人手不足は、提供する食事の品質にも影響する可能性があります。限られた人数で多くの作業をこなす必要があり、調理や盛り付けに十分な時間を確保しにくくなるためです。
例えば、食材の下処理や味付け、盛り付けなどに時間をかけられなくなると、料理の仕上がりや見た目にばらつきが生じる場合があります。
介護施設では、毎日の食事が利用者にとって楽しみの一つです。そのため、料理の味や見た目などの品質が低下すると、食事に対する満足度が下がる可能性があります。こうした状況が続けば、食べ残しが増えることにもつながるでしょう。
安定した食事の提供が難しくなる
厨房の人員に余裕がない状態では、急な欠勤や退職が発生した際に、予定通りに食事を提供できなくなる恐れがあります。
必要な調理スタッフを確保できなければ、仕込みや加熱調理、盛り付けなどの作業が間に合わず、献立の変更や食事の提供時間に遅れが生じる場合もあるでしょう。
介護施設では、利用者の生活リズムや介護のスケジュールに合わせて、毎日決まった時間に食事を提供する必要があります。厨房の人手不足によって食事の提供が遅れると、配膳や食事介助などの業務にも影響を及ぼす可能性があります。
介護施設の厨房における人手不足の改善方法
介護施設の厨房で人手不足に対応するには、人材の確保だけではなく、業務の進め方や調理方法を見直すことも重要です。人手不足を改善するための主な方法について確認していきましょう。
システムを活用して事務作業や管理業務を効率化する
厨房の事務作業や管理業務を効率化するには、専用のシステムを活用する方法があります。献立作成や食材の発注・在庫管理、衛生管理などにシステムを導入すれば、手作業による負担を減らしやすくなるはずです。
例えば、食材の発注や在庫管理をシステムで一元化すれば、数量の確認や記録、集計などにかかる時間を短縮できるでしょう。また調理温度や衛生管理の記録をデジタル化することで、紙への記入や書類の整理にかかる負担も軽減できます。
事務作業や管理業務にかかる時間を削減できれば、スタッフは調理や盛り付けなどの業務に時間を充てやすくなります。
作業工程や厨房内の動線を見直す
厨房内の作業工程やスタッフの動きを見直すことも、人手不足を改善する方法の一つです。無駄な作業や移動を減らすことで、限られた人員でも効率よく業務を進めやすくなります。
まずは、仕込み・加熱・盛り付け・洗浄などの作業内容を整理し、特定のスタッフに業務が集中していないか、重複している作業がないかを確認しましょう。その上で、作業手順のマニュアル化や役割分担の見直しを行えば、スタッフの経験やスキルに左右されにくい体制を整えられます。
また食材の保管場所や調理器具の配置を見直し、厨房内のスタッフの移動を減らすことも効果的です。
外国人材の採用や人材派遣サービスを活用する
自施設での採用活動だけでは必要な調理スタッフを確保できない場合は、外国人材の採用や人材派遣サービスの活用も選択肢となります。
外国人材の採用は、人材確保の対象を広げる方法の一つです。ただし、在留資格によって従事できる業務が異なるため、採用前に確認する必要があります。
また人材派遣サービスを活用すれば、急な欠員が発生した場合や、特定の時間帯に人手が不足する場合などに、必要な人員を補える可能性があります。
ただし、採用や派遣には費用がかかるため、継続的な人員補充が必要なのか、一時的な人手不足に対応したいのかをしっかりと整理した上で検討しましょう。
クックチルや完全調理品を活用する
クックチルや完全調理品を活用することも、人手不足による影響を軽減する方法の一つです。
またクックチルは、加熱調理した料理を急速冷却して低温保存し、提供前に再加熱する調理方式です。施設内に導入すれば、調理と提供の時間帯を分けられるため、作業を分散しやすくなります。
ただし、導入には急速冷却機器や再加熱機器などが必要になる場合があります。厨房設備や導入費用、運営方法などを踏まえて検討することが大切です。
また完全調理品とは、あらかじめ調理や味付けが済んでいる食材のことです。商品に応じて湯煎や再加熱、盛り付けなどを行って提供できるので、仕込みや加熱調理の工程を減らせます。
調理に時間がかかるメニューや、人手が不足しやすい朝食などに部分的に取り入れることも可能です。
クックチルや完全調理品を活用する主なメリット
クックチルや完全調理品を活用すると、従来の調理方法と比べて、厨房スタッフの働き方や食事の品質管理などを見直しやすくなります。
ここからは、これらを活用することで得られる主なメリットについて見ていきましょう。
調理時間や作業量を調整しやすくなる
クックチルや完全調理品を活用すると、食事の提供時間に合わせて集中しやすい作業を減らし、調理時間や作業量を調整しやすくなります。
従来の調理方法では、提供時間に合わせて仕込みや加熱調理を行いますが、クックチルは別の時間帯に調理できるため、作業を分散しやすくなります。
また完全調理品を使用すれば、施設内での仕込みや加熱調理の工程が減り、食事提供前の作業時間を短縮できるでしょう。こうした作業の分散・削減により、早朝勤務の負担を軽減し、特定の時間帯に人員が集中しない勤務体制を整えやすくなります。
品質の差を抑えやすくなる
クックチルや完全調理品を活用すると、スタッフの経験や調理スキルによる食事の品質の差を抑えやすくなります。施設内で一から調理すると、担当者によって味付けや加熱の仕上がりに差が生じることがあるでしょう。
クックチルを活用すれば、調理手順や加熱・冷却の条件を統一することで、一定の品質を保ちやすくなります。また完全調理品は、決められた製法で調理されているため、経験の浅いスタッフが担当する場合でも、食事の仕上がりをそろえやすくなります。
衛生管理の負担を軽減できる
クックチルや完全調理品を活用すると、調理工程に伴う衛生管理の負担を軽減できる場合があります。
完全調理品は、生鮮食材の下処理や施設内での加熱調理を減らせるため、調理器具の洗浄・消毒や温度管理などの作業も少なくなります。またクックチルを活用し、調理・冷却・保存・再加熱の各工程で管理方法を定めることで、衛生管理を計画的に進めやすくなります。
ただし、衛生管理そのものが不要になるわけではありません。導入する方法や食材に応じて、温度管理などの体制を整えることが大切です。
食品ロスや人件費などのコストを見直せる
クックチルや完全調理品の活用は、食品ロスや人件費など、厨房運営のコストの見直しにも役立ちます。
クックチルを活用して必要な食数に合わせて計画的に調理・保存すると、作り過ぎや食材の廃棄を抑えられる場合があります。
また完全調理品を必要な数量だけ仕入れれば、下処理で出る廃棄物や余剰食材を減らしやすくなるでしょう。調理工程の削減や作業時間の調整によって、残業時間や人員配置を見直せば、運営にかかるコストの削減にもつながる可能性があります。
ただし、設備の導入費用や完全調理品の購入費用も発生します。食材費だけではなく、設備費や光熱費、人件費なども含め、厨房の運営にかかるコスト全体で判断しましょう。
厨房の業務負担を見直し、人手不足に対応できる体制を整えよう
介護施設の厨房では、人材確保の難しさや不規則な勤務形態、業務の複雑化などが人手不足の原因となっています。人手不足が続くと、スタッフの負担が増えるだけではなく、食事の品質や給食の提供体制にも影響する恐れがあります。
人手不足に対応するためには、人材の確保に加え、作業工程の見直しやシステムの導入など、施設の状況に合った方法を検討することが大切です。クックチルや完全調理品の活用も選択肢となるでしょう。
株式会社ニッカネでは、通常食材や介護食に加え、完全調理品も取り扱っています。完全調理品を活用すれば、仕込みや加熱調理などの工程を減らせるため、限られた人員でも食事を提供しやすくなるでしょう。厨房の人手不足や調理業務の負担にお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。