介護施設で食材業者を変更するには? 基本的な流れや業者の選び方について解説

介護施設で食材業者を変更するには? 基本的な流れや業者の選び方について解説

介護施設では、食材費の高騰や人手不足により、給食運営の負担が大きくなっています。こうした負担を軽減する方法の一つが、食材業者の見直しです。

しかし「現在の食材業者を変更した方がよいのか」「新しい業者はどのように選べばよいのか」と悩む方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、介護施設で食材業者の変更を検討するケースやメリット、変更の流れ、業者の選び方について解説します。

【この記事で分かること】

● 食材費の高騰や食事への不満、納品トラブルなどは、食材業者の変更を検討するきっかけとなる
● 食材業者の見直しによって、仕入れコストの改善や食材管理の負担軽減につながる場合がある
● 業者を変更する際は、取引条件や供給体制を比較し、給食の提供を止めないよう計画的に切り替えることが大切

目次

介護施設で食材業者の変更を検討する4つのケース

介護施設で食材業者の変更を考える背景には、コスト負担の増加だけではなく、利用者の食事に関する課題や納品時のトラブルなどがあります。

まずは、食材業者の変更を検討する4つのケースについて確認していきましょう。

食材費の高騰によって仕入れコストが増えている

食材費の高騰によって給食の予算を圧迫している場合は、食材業者の変更を検討するきっかけとなります。

背景には、原材料価格や物流費などの上昇があります。介護施設では毎日食事を提供するため、食材単価の上昇が積み重なると、限られた予算の中で献立の内容や品質を維持するのが難しくなるでしょう。

食材の種類や使用量を調整しても収支が改善せず、現在の業者との価格交渉も難しい場合は、他の食材業者と取引条件の比較をするとよいでしょう。

利用者から食事の味や献立に対する不満が増えている

食事の味や献立に対する不満が増えている場合も、食材業者を見直すきっかけの一つです。

介護施設では、毎日の食事が利用者の楽しみの一つとなります。「以前と味が変わった」「同じようなメニューが続いている」といった声が増えたり、残食量が多くなったりしている場合は、食材の品質や種類が利用者の好みに合っていないかもしれません。

ただし、味や献立には調理方法も関係します。原因を確認した上で、現在の業者が取り扱う商品での改善が難しい場合は、食材業者の変更を検討しましょう。

利用者に合わせた食事形態への対応が難しくなっている

利用者の状態に合わせた食事形態への対応が難しくなっている場合も、食材業者の変更を検討するきっかけとなります。

介護施設では、利用者のかむ力や飲み込む力に応じて、きざみ食やソフト食、ムース食などを提供する必要があります。しかし、現在の業者が取り扱う食事形態の種類が限られていると、必要な食材を十分に調達できない場合があるでしょう。

その結果、施設内で追加の調理や加工が必要になり、厨房スタッフの負担が大きくなる可能性があります。こうした状況が続く場合は、必要な介護食を幅広く取り扱う業者への変更が選択肢となるでしょう。

配送や欠品などのトラブルが増えている

配送や欠品などのトラブルが繰り返される場合も、食材業者の変更を検討する理由の一つです。

介護施設では、毎日決まった時間に食事を提供する必要があります。食材の欠品や数量間違いが発生すると、急な献立変更や代替食材の手配が必要になり、予定していた食事の提供にも影響する恐れがあるでしょう。

またトラブルが起きた際に業者の担当者と連絡が取れなければ、対応が遅れる可能性もあります。納品に関する問題に加え、サポート体制にも不安がある場合は、取引先の見直しを検討するとよいでしょう。

介護施設で食材業者を変更する主なメリット

食材業者を変更すると、仕入れコストの見直しだけではなく、厨房スタッフの負担軽減や食事内容の改善につながる場合があります。

ここでは、食材業者を変更することで期待できる主なメリットについて解説します。

食材の仕入れコストを見直せる

食材業者を変更するメリットの一つは、食材の仕入れコストを見直せる点です。業者によって商品の価格設定や配送条件が異なるため、取引先を変更することで費用を抑えられる場合があります。

例えば、幅広い食材を取り扱う業者に仕入れ先を集約すれば、発注の手間を減らせる他、配送費などの負担を抑えられる可能性があります。

また必要な数量や使用頻度に合わせて食材を調達できれば、過剰な仕入れや食品ロスの削減にもつながります。このような無駄な支出を減らすことで、食材費全体を管理しやすくなるはずです。

厨房スタッフの業務負担を軽減できる

カット野菜や調理済み食材などを取り扱う食材業者に変更すると、厨房スタッフの調理業務の負担を軽減できます。

例えば、カット野菜を使用すれば、野菜の洗浄や切り分けなどの下処理にかかる時間を減らせます。また調理済み食材を活用すると、一から調理する工程を省き、加熱や盛り付けを中心とした作業に切り替えることも可能です。

こうした食材を取り入れると、限られた人数でも日々の調理業務を進めやすくなります。

献立のバリエーションを増やしやすくなる

取り扱う食材の種類が豊富な業者に変更すると、これまで使用していなかった食材を取り入れやすくなり、献立のバリエーションを広げられます。

通常食材に加えて季節の食材や調理済み食材などを幅広く仕入れられれば、日々の献立に変化を付けられるでしょう。また正月やひな祭りなど、季節に合わせた行事食にも対応しやすくなります。

さらに、献立提案を行っている業者であれば、施設の栄養基準や利用者の好みを踏まえたメニューも検討できます。

食材の品質や安全性を確保しやすくなる

品質管理や衛生管理の体制が整った食材業者に変更すると、適切に管理された食材を安定して仕入れやすくなります。

例えば、冷凍・冷蔵・常温の各温度帯に応じた保管・配送に対応している業者であれば、納品まで食材の品質を維持しやすくなるでしょう。

また製造・流通に関する情報を確認できる体制が整っている業者なら、品質に関する問題が発生した際にも、原因や対象となる商品を把握しやすくなります。

介護施設で食材業者を変更する際の基本的な流れ

食材業者を変更する際は、現在の契約内容を確認しながら、新しい業者との取引開始に向けた準備を進める必要があります。

ここでは、介護施設で食材業者を変更する際の基本的な流れを6つのステップで解説します。

1. 現状の課題を整理し、新しい食材業者に求める条件を明確にする

食材業者の変更を進める前に、まずは現在の取引で生じている課題を整理しましょう。何を改善したいのかが曖昧なままでは、新しい業者を適切に比較しにくくなります。

例えば、食材費の削減や納品体制の改善、介護食の種類の充実など、見直したい項目を洗い出します。その上で、優先して改善したい項目を明確にしましょう。

併せて、1日当たりの食数や必要な食材の種類、予算などの基本条件も整理しておきましょう。これらの情報を管理栄養士や調理スタッフなどの関係者と共有しておくと、施設内で認識をそろえながら業者の選定ができます。

2. 複数の食材業者から見積もりを取り、サービス内容を比較する

新しい食材業者に求める条件が決まったら、複数の業者に問い合わせ、見積もりやサービス内容を比較します。

その際は、1日当たりの食数や必要な食材の種類、納品頻度などを伝え、できるだけ同じ条件で見積もりを依頼しましょう。条件をそろえると、食材の価格や配送費、サービス内容の違いを把握しやすくなります。

また見積金額だけではなく、提示された条件で必要な食材を調達できるかどうかも確認が必要です。各業者の提案内容を比較し、自施設の条件に合う候補を絞り込みましょう。

3. サンプルや試食を通じて食材の品質を確認する

候補となる食材業者を絞り込んだら、必要に応じてサンプルを取り寄せたり、試食を行ったりして、実際の食材の品質を確認しましょう。

主な確認項目は、以下の通りです。

● 通常食材(肉・魚・野菜など):食材の品質や調理時の使いやすさ
● 調理済み食材:加熱・盛り付け後の味付けや食感、仕上がり
● 介護食:利用者のかむ力や飲み込む力に合った食事を提供できるか

特に介護食については、施設の管理栄養士や調理スタッフなどにも確認してもらい、実際の食材を基に判断することが重要です。

4. 契約内容を確認し、現在の食材業者に解約を申し出る

新しい食材業者が決まったら、取引条件や契約内容を確認し、現在の業者との契約終了に向けた手続きを進めます。

新しい業者との契約では、取扱商品や価格、配送条件、支払い方法、発注・キャンセルの取り扱いなどを確認しましょう。後から認識のずれが生じないよう、双方で条件を明確にしておくのも大切なポイントです。

現在の業者との契約についても、解約予告期間や最終発注日などを確認し、契約条件に沿って解約を申し出ます。新旧業者との取引期間を調整し、必要な食材の納品が途切れないように切り替え日を決めましょう。

5. 発注方法や納品スケジュールなどを調整する

新しい食材業者との取引開始に向けて、日々の発注方法や納品に関する具体的な運用ルールを決めます。

例えば、発注に使用するシステムや注文書の形式、発注の締め切り時間、納品日・時間帯、納品場所などを業者と確認しましょう。また定期的に使用する食材や介護食については、商品名や規格、必要数量などを整理し、発注内容に間違いがないかを確認するのもポイントです。

これまでと発注方法や納品の流れが変わる場合は、発注担当者や検品担当者にも新しいルールを共有し、取引開始後の混乱を防ぎましょう。

6. 新しい食材業者との取引を開始し、運用状況を確認する

新しい食材業者との取引を開始したら、事前に取り決めた内容に沿って食材が納品されているかどうかを確認します。

特に初回納品時は、通常よりも丁寧に確認することが大切です。不備が見つかった場合は速やかに業者に連絡し、必要な対応について相談しましょう。

また取引開始後も、発注や納品の流れに問題がないか、厨房スタッフや発注担当者から意見を集めるとよいでしょう。実際の運用で課題が見つかった場合は、必要に応じて業者と調整を行い、新しい取引方法を定着させていくことが重要です。

介護施設における食材業者の選び方

介護施設の食材業者を選ぶ際は、取り扱う食材の種類や配送体制、費用などを総合的に比較することが欠かせません。

最後に、施設に合った食材業者を選ぶために確認したい4つのポイントについて解説します。

介護食や個別対応が必要な食材を取り扱っているか

介護施設では、利用者のかむ力や飲み込む力、健康状態に応じた食事を提供する必要があります。そのため、自施設で必要な食材を取り扱っている業者を選ぶことが大切です。

例えば、きざみ食やソフト食、ムース食など、必要な食事形態に対応した商品を仕入れられるかどうかを確認しましょう。食物アレルギーや塩分・エネルギー制限など、個別対応に必要な食材の取扱状況も確認が必要です。

利用者の状態に合った食材を継続して調達できる業者であれば、個別のニーズにも対応しやすくなるでしょう。

衛生管理や安定供給の体制が整っているか

介護施設で安全な給食を継続して提供するためには、食材業者の衛生管理体制や供給体制を確認する必要があります。

衛生管理については、HACCPに沿った衛生管理を実施しているか、食材の保管・配送時に適切な温度管理を行っているかなどを確認しましょう。

また施設が希望する納品日や時間帯に対応できるかといった体制も確認し、品質を維持しながら安定して食材を供給できる業者を選びましょう。

食材の価格や配送費などのコストが適切か

食材業者を選ぶ際は、食材の単価だけではなく、配送費やその他の費用も含めた総額を比較するのがポイントです。

例えば、食材の価格が安くても、注文金額によって配送費が発生したり、少量発注に追加料金がかかったりする場合があります。そのため、実際の発注数量や頻度に応じて、どの程度の費用がかかるのかを確認する必要があります。

費用を抑えることだけを優先せず、食材の品質やサービス内容も踏まえながら、施設の予算に合った取引条件の業者を選びましょう。

トラブル発生時のサポートが充実しているか

食材業者を選ぶ際は、欠品や配送遅延などのトラブルが発生した場合に、迅速に対応してもらえるかどうかも重要なポイントです。

発注した商品が欠品した場合に代替商品を提案してもらえるか、誤配送が発生した際に再納品してもらえるかなど、具体的な対応内容を確認しておきましょう。

併せて、問い合わせの受付時間や連絡方法、緊急時の対応窓口なども確認しておくと安心です。必要な食材を確保できない事態に備え、トラブル発生時にも相談しやすい業者に依頼しましょう。

施設の課題に合った食材業者を選び、給食運営を見直そう

介護施設で食材業者を変更すると、仕入れコストの見直しや厨房スタッフの負担軽減、献立の充実などにつながる場合があります。

業者を変更する際は、複数社のサービス内容や取引条件を比較し、発注・納品方法などを事前に確認した上で、計画的に切り替えを進めることが大切です。

株式会社ニッカネでは、通常食材や介護食、調理済み食材などを幅広く取り扱っています。利用者の食事形態や献立に合わせた食材の調達ができる他、調理済み食材の提案も行っているので、食材業者の変更や給食の運営方法の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。