完全調理品(完調品)とは? グループホームに導入するメリット・デメリットや選び方について

完全調理品(完調品)とは? グループホームに導入するメリット・デメリットや選び方について

グループホームでは、入居者に毎日食事を提供する必要があります。しかし、調理スタッフの人手不足に加え、仕込みや調理、衛生管理など多くの業務を担うため、現場の負担が大きくなりがちです。特に少人数で食事を用意する施設では、調理に関する業務の進め方を見直したいと考えることもあるでしょう。

こうした課題に対応する方法の一つが、あらかじめ調理を済ませた「完全調理品(完調品)」の活用です。施設で一から調理する工程を減らし、日々の作業負担を軽減しやすくなります。

本記事では、完全調理品の特徴や導入が進む背景を紹介します。完全調理品を活用するメリット・デメリットやサービスの選び方についても解説するので、導入を検討する際の参考にしてください。

【この記事で分かること】

● 完全調理品は、工場などで調理を済ませた食品で、施設では再加熱や盛り付けを中心に食事を提供できる
● 完全調理品を活用すると調理工程を減らせる一方で、保管設備や費用など、導入前に確認すべき点もある
● サービスを選ぶ際は、必要な食事形態への対応可否や、配送条件などを比較することが大切

目次

完全調理品(完調品)とは?

完全調理品は、施設内での調理工程を減らせる食品です。まずは、完全調理品の特徴や、半調理品・レトルト食品との違いについて解説します。

完全調理品の特徴

完全調理品(完調品)とは、専門工場やセントラルキッチンなどで、食材の下処理から加熱調理、味付けまでを済ませた食品です。料理として仕上がった状態で施設に届けられるため、基本的に一から調理する必要はありません。

施設では、商品に応じて湯煎や電子レンジなどで再加熱し、食器に盛り付けて提供します。主菜や副菜などを組み合わせれば、毎日の食事にも取り入れられるでしょう。

食材を切ったり、煮たり焼いたりする工程を減らせる点が大きな特徴です。ただし、再加熱の方法や時間は商品によって異なるため、指定された手順に従う必要があります。

半調理品やレトルト食品との違い

完全調理品と半調理品では、施設内で必要となる調理工程が異なります。

半調理品は、食材のカットや下味付けなど、調理工程の一部を済ませた食品です。仕込みの手間を減らせますが、施設で加熱調理や仕上げの作業を行い、料理を完成させる必要があります。

一方、レトルト食品は、食品を密封して加圧加熱殺菌したものです。常温で保存できる商品が多い点が特徴といえます。

なお、完全調理品は「調理を済ませた状態」を表す名称で、保存方法や加工方法を限定するものではありません。冷凍品やチルド品の他、調理済みのレトルト食品も含まれる場合があります。そのため、商品ごとに保管方法や提供方法を確認する必要があります。

グループホームで完全調理品の導入が進む背景

グループホームでは、人手不足や衛生管理に関わる業務の負担が課題となっています。ここでは、完全調理品の導入が検討される主な背景について解説します。

調理スタッフの人材確保が難しい

介護業界では人手不足が課題となっており、グループホームでも食事の準備を担うスタッフを十分に確保できない場合があります。

グループホームでは、食事を決まった時間に提供する必要があります。しかし、調理専任のスタッフを配置できない施設では、介護スタッフが食事の準備を兼務するケースも少なくありません。

食事の準備と介護業務が重なると、限られた人数で両方に対応しなければならず、現場の負担が大きくなりやすいでしょう。また急な欠員が発生した際には、食事の準備に必要な人員を確保できない場合もあります。

こうした状況から、専門的な調理技術に依存せず、少人数でも食事を準備しやすい完全調理品が注目されているのです。

衛生管理の負担が増えている

グループホームでは、食中毒を防ぐために、食材の取り扱いや温度管理、調理器具の洗浄・消毒などを適切に行う必要があります。

こうした衛生管理は日々継続して行わなければならず、スタッフの負担となりがちです。HACCPに沿った衛生管理が求められるので、要件に沿った点検や記録などにも対応する必要があります。

そのため、衛生管理に関わる業務の負担を軽減する方法の一つとして、施設内での下処理や加熱調理を減らせる完全調理品が活用されています。ただし、完全調理品を利用する場合も、適切な温度での保管や再加熱、盛り付け時の衛生管理などは引き続き必要です。

グループホームで完全調理品を導入するメリット

完全調理品を導入すると、調理業務の効率化や食事の品質の維持など、さまざまな効果が期待できます。グループホームで活用する主なメリットについて見ていきましょう。

調理時間を短縮できる

完全調理品を活用するメリットは、施設内での調理時間を短縮できることです。食材の下処理や味付けが済んでいるため、一から調理する場合と比べて作業工程を減らせます。

例えば、野菜の皮むきやカット、肉や魚の下ごしらえなどが不要になり、食事の準備にかかる時間を減らせるでしょう。

調理業務にかかる時間が短くなれば、スタッフが他の業務に時間を充てやすくなります。特に介護スタッフが調理を兼任するグループホームでは、入居者の介護や見守りに時間を確保しやすくなる点もメリットです。

人員配置や人件費を見直せる

完全調理品を活用すると、施設内で必要な調理作業が減るため、人員配置や人件費を見直しやすくなります。

一から調理する場合は、食材の下処理や加熱調理などを行うために、一定の調理技術や経験が必要です。しかし、完全調理品は再加熱や盛り付けが中心となるので、経験や技術が異なるスタッフでも食事の準備を担当しやすくなります。

調理スタッフの確保が難しい施設でも、シフトを組む際の選択肢が広がるでしょう。また調理業務に必要な労働時間を減らせれば、人件費の負担軽減につながる場合もあります。

食事の品質を維持しやすい

完全調理品は、あらかじめ決められた工程で調理・味付けされているため、食事の品質を維持しやすい点もメリットです。

施設内で一から調理する場合、担当者の経験や技術によって、味付けや食感などに差が生じることがあります。

一方、完全調理品であれば、調理経験や技術の異なるスタッフでも、指定された再加熱方法や提供手順を守って作業をすれば、仕上がりのばらつきを抑えやすくなるでしょう。

また管理栄養士による献立提案に対応したサービスを活用すれば、栄養バランスに配慮した食事を継続して提供しやすくなります。

食品ロスを削減しやすい

完全調理品を活用すると、食品ロスの削減につながる可能性があります。

一から調理する場合は、必要な食材を仕入れ、人数に合わせて調理する必要があります。しかし、完全調理品は必要な食数に応じて使用できるため、余分な食材や作り過ぎによる廃棄を抑えやすくなるでしょう。

また冷凍品など保存期間が比較的長い商品を活用すれば、予定していた日に使い切れなくても、適切に保管して別の日に使用できます。食材を使い切れずに廃棄するリスクを減らせるでしょう。

さらに、施設内で皮むきやカットなどを行う必要がないので、調理時に発生する生ごみも減らせるのも利点です。

グループホームで完全調理品を導入するデメリット

完全調理品は調理業務の負担を軽減できる一方で、献立の自由度や保管方法などに注意が必要です。ここでは、主なデメリットと対応方法について解説します。

献立や味付けの自由度が低くなる

完全調理品は、あらかじめ調理や味付けが済んでいるため、施設内で一から調理する場合と比べて、食材や味付けを自由に変更しにくい場合があります。

家庭的な食事を大切にしているグループホームでは、既製品を中心とした献立に抵抗を感じる入居者もいるかもしれません。

そのため、全ての料理を完全調理品に切り替えるのではなく、手作りの食事と組み合わせる方法もあります。例えば、主菜には完全調理品を使用し、汁物や副菜は施設内で調理するなど、入居者の好みや施設の方針に合わせて取り入れるとよいでしょう。

保管スペースの確保が必要になる

冷凍・冷蔵タイプの完全調理品を導入する場合は、必要な数量を適切に保管できる冷凍庫や冷蔵庫が必要です。

特に小規模なグループホームでは、厨房や食材の保管スペースが限られていることも少なくありません。そのため、既存の設備では十分な在庫を保管できず、冷凍庫や冷蔵庫の増設が必要になる場合もあるでしょう。

こうした問題を防ぐには、導入前に保管設備の容量を確認することが大切です。納品頻度や1回当たりの発注数量を調整するなど、施設の保管スペースに合った方法を検討しましょう。

グループホームにおける完全調理品サービスの選び方

完全調理品サービスは、業者によって取り扱う食事形態や注文条件、配送方法などが異なります。ここからは、グループホームに合ったサービスを選ぶ際のポイントについて解説します。

必要な介護食や食事形態に対応しているか

グループホームで完全調理品を導入する際は、入居者のかむ力や飲み込む力に応じた食事を提供できるかどうかを確認することが欠かせません。

入居者によって必要な食事形態は異なるため、きざみ食やソフト食、ムース食など、施設で必要な種類の介護食を取り扱っているかどうかを確認しましょう。

また食物アレルギーや疾患による食事制限がある入居者に対応する場合は、条件に合った商品があるか、使用食材や栄養成分を確認できるかの確認も必要です。

必要な食事形態や個別の条件に合った商品を仕入れられるサービスを選べば、入居者一人ひとりに応じた食事を提供しやすくなります。

試食で味や使いやすさを確認できるか

完全調理品を選ぶ際は、事前にサンプルを取り寄せたり、試食したりできるサービスを選ぶとよいでしょう。

カタログや商品説明だけでは、実際の味付けや食感、食材の柔らかさなどを十分に把握できません。そのため、試食を通じて入居者の好みや食べやすさに合った商品かどうかを確認することが大切です。

可能であれば、厨房スタッフが実際に再加熱や盛り付けを行い、作業のしやすさも確認しておきましょう。施設の設備で問題なく対応できるか、準備にどの程度の時間がかかるかも確認したいポイントです。

食事の品質と現場での使いやすさを事前に確かめることで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

食数に合った注文単位であるか

グループホームでは比較的少人数で食事を提供するため、入居者数に合った数量で注文できるかどうかを確認するのも重要な判断基準の一つです。

完全調理品は、商品によって1パック当たりの食数が異なります。例えば、1パックの量が施設で必要な食数を上回る場合、使い切れずに食品ロスが発生する可能性があります。

そのため、必要な人数分を無駄なく使用できるよう、小分けパックや少量注文に対応したサービスも検討するとよいでしょう。

また入居者の外泊や入退去などによって食数が変わる場合もあります。最低発注数量や注文の締め切り、数量変更の期限などについても確認し、施設の食数に合わせて柔軟に発注できるサービスを選びましょう。

施設の納品条件に対応できるか

完全調理品サービスを選ぶ際は、施設が希望する納品場所や配送日、時間帯などに対応できるかどうかの確認も必要です。

グループホームでは、食事の準備だけではなく、介護や見守りなども行います。納品のタイミングによっては、食材の受け取りが負担になる場合もあるため、施設の業務スケジュールに合った配送方法を選ぶことが重要です。

また複数のグループホームを運営している場合は、各施設への直接配送に対応しているかも確認しましょう。

配送先が1カ所に限られていると、施設間で食材を運搬する手間が発生します。各施設に直接納品できるサービスであれば、施設間での運搬や受け取りにかかる負担を軽減しやすくなるはずです。

完全調理品を活用し、グループホームの調理負担を軽減しよう

完全調理品は、施設内での調理工程を減らし、調理時間の短縮や食事の品質維持など、さまざまな効果が期待できる食品です。

一方、献立の自由度や保管スペースなどに注意が必要なため、施設の食数や設備、入居者に必要な食事形態を踏まえて導入を検討しましょう。

株式会社ニッカネでは、完全調理品をはじめ、通常食材や介護食などを幅広く取り扱っています。施設で必要な食事形態や献立に合わせて、さまざまな食材をまとめて仕入れられる点が特徴です。完全調理品の導入や、グループホームにおける調理業務の負担軽減をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。