給食の原価管理を見直すには? 給食事業者・給食会社の活用などコストを抑える5つの方法

給食の原価管理を見直すには?給食事業者・給食会社の活用などコストを抑える5つの方法

食材費が高騰する中、給食を提供する施設では原価管理が難しくなっています。食事の品質を維持しながら「どのコストから見直せばよいのか」「仕入れ方法を変えるべきか」と悩む方もいるのではないでしょうか。

給食の原価管理では、食材費だけに目を向けるのではなく、人件費や委託費なども含めて確認することが重要です。必要に応じて給食事業者や給食会社を活用し、食材調達や運営方法を見直すことも選択肢となります。

本記事では、給食の食材費が高騰している原因や現場への影響を解説します。併せて、食材費を抑える方法や、見直す際の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 食材費は、原材料価格だけではなく、円安や人件費、物流費など複数の要因から影響を受ける
  • 給食の原価管理では、食材費や人件費、委託費を含めてコスト全体を把握することが重要
  • 食材費を抑えるには、カット食材や完全調理品の活用、仕入れ先の集約など複数の方法が考えられる

目次

給食の食材費が高騰している主な5つの要因

給食で使用する食材の価格は、原材料そのものの価格だけで決まるわけではありません。為替やエネルギー、人件費、物流費など、さまざまなコストが仕入れ価格に影響します。

ここでは、食材費が高騰している主な5つの要因について解説します。

原材料価格が上昇している

食材費が高騰する要因の一つが、野菜や穀物などの原材料価格の上昇です。天候不良や異常気象が発生すると農作物の収穫量が減少し、供給量の低下によって価格が上がる場合があります。また国際情勢の変化によって国際価格が変動すると、国内の仕入れ価格にも影響が及ぶでしょう。

さらに、トウモロコシなどの飼料用穀物が値上がりすると、畜産にかかる費用も増加します。肉類や卵、乳製品など幅広い食材の価格にも波及するため、給食で使用する食材全体の仕入れ費用を押し上げる要因となります。

円安の影響を受けている

円安も、食材の仕入れ価格を押し上げる要因の一つです。円安が進むと、海外から同じ食材を仕入れる場合でも支払う金額が増え、調達費用が高くなります。

日本では小麦や大豆をはじめ、海外からの輸入に頼る食材や原材料も少なくありません。そのため、為替相場の変動によって輸入価格が上昇すると、国内で販売される食材の価格にも影響が及びます。

また影響を受けるのは、輸入食材だけではありません。海外産の飼料や原料を使用して国内で生産・加工する食品も、調達費用の増加によって価格が上がる場合があります。

光熱費や燃料費が上昇している

電気やガス、燃料などの価格上昇も、食材費に影響します。食材が製品として出荷されるまでには、生産や加工のさまざまな工程でエネルギーが必要となるためです。

例えば、農業では農業機械の稼働や施設栽培に燃料や電気を使用します。食品工場でも、加熱や冷却、冷凍などの製造設備を動かすためには、電気やガスが欠かせません。

こうした費用が増えると、生産者や食品メーカーの負担も大きくなります。増加した費用が商品価格に反映されることで、仕入れ価格にも影響が及びます。

人件費や加工費が増加している

食材の生産や加工にかかる人件費の増加も、仕入れ価格に影響する要因です。人材確保が難しくなる中、最低賃金の引き上げなどによって、生産や加工に必要な人件費も増えています。

特に、魚や肉のカット、野菜の下処理、惣菜の製造などは、人の手を必要とする工程が多く、人件費の影響を受けやすいでしょう。こうした加工にかかる費用が商品価格に反映され、仕入れ価格にも影響が及ぶのです。

物流コストが上昇している

食材を生産地や食品工場から給食施設まで届ける物流コストの上昇も、仕入れ価格に影響します。配送には燃料費の他、トラックドライバーの人件費など、さまざまな費用がかかるためです。

さらに、2024年4月からは自動車運転業務にも時間外労働の上限規制が適用されています。ドライバー1人当たりの労働時間が制限される中で、これまでと同じ配送量を維持するには、人員の確保や配送ルートの見直しなどが必要です。

こうした対応によって物流事業者の負担が増えると、運賃に反映される場合があります。燃料費や人件費の上昇も重なり、施設が仕入れる食材の価格にも影響が及ぶでしょう。

食材費の高騰が給食の現場に与える影響

食材費が高騰すると、給食にかかるコストが増えるだけではなく、献立作成や食事の品質にも影響が及びます。限られた予算の中で給食を提供するには、価格の変化に応じた調整が必要です。

ここでは、給食の現場に生じる主な影響について解説します。

献立の調整が難しくなる

食材費の高騰により、決められた予算の中で必要な栄養量を確保しながら、献立を組むことが難しくなっています。これまで使用していた食材の価格が上がれば、同じ献立をそのまま続けるのが難しい場合もあるでしょう。

そのため、高騰した食材を別の食材に置き換えたり、使用量や提供頻度を調整したりする対応が必要になります。代替食材を使用する場合も、価格だけではなく栄養価や他の料理との組み合わせも確認しなければなりません。

予算と栄養面の両方を確認しながら献立を組み直す作業が増えるので、栄養士や管理栄養士の負担も大きくなりやすい点に注意が必要です。

食事の品質を維持しにくくなる

食材費が高騰すると、これまで提供してきた食事の内容を維持しにくくなる場合があります。予算内に収めようと食材の種類や使用量を変更すると、料理の量や味、見た目が変わる可能性があるためです。

例えば、価格が高騰した食材を使うメニューや、人気のある料理の提供回数を減らさざるを得ないケースも考えられます。こうした変更が続けば、利用者が感じる食事の満足度にも影響するでしょう。

食材費を見直す際は、価格だけを基準にせず、栄養面や味、食事の満足度なども踏まえて判断することが大切です。

給食事業者・給食会社を活用すると原価管理を見直せる?

給食事業者・給食会社を活用すると、食材費を含む原価を見直しやすくなる場合があります。

給食事業者・給食会社によっては、複数の施設で使用する食材をまとめて仕入れる他、発注量や使用量を管理する仕組みを整えているからです。こうした一括仕入れや発注の集約により、食材調達やコスト管理を効率化できるケースもあるでしょう。

一方、給食を委託すると委託費が発生するので、食材費を抑えられても、給食全体のコストが下がるとは限りません。給食の原価には、食材料費だけではなく、労務費や水道光熱費などの経費も含まれます。

そのため、原価管理では食材費だけを比較せず、人件費や委託費、管理にかかる負担まで含めて確認することが重要です。現在の運営コストを整理した上で、施設に合った委託範囲や食材調達の方法を検討しましょう。

給食に関するコストを抑える5つの方法

給食の食材費を抑えるには、単純に仕入れ価格を下げるだけではなく、食材の選び方や使い方を見直すことが大切です。給食事業者や給食会社のサービスも活用しながら、自施設に合った方法を検討しましょう。ここでは、食材費を抑える5つの方法を紹介します。

価格を抑えやすい食材を選ぶ

食材費を抑えるには、値上がりしている食材にこだわらず、価格が比較的安定している食材に置き換える方法があります。献立に合わせて食材を使い分けると、特定の食材が高騰した際の影響も抑えやすくなるでしょう。

例えば、旬を迎えて流通量が増える食材や、価格が安定している食材への置き換えを検討できます。品質や安全性などに問題がなければ、形や大きさが規格に合わない食材を検討するのも選択肢の一つです。

ただし、価格だけを基準に食材を選ぶと、栄養面や味に影響する場合があります。必要な品質や献立との相性も確認しながら、価格とのバランスが取れた食材を選びましょう。

カット食材やカット野菜を活用する

カット野菜や切り身魚などの下処理済み食材を活用するのも、食材費を見直す方法の一つです。野菜の皮や芯、魚の骨などがあらかじめ取り除かれており、下処理で生じる廃棄を減らしやすくなります。

なお、下処理済み食材は、丸ごとの食材より仕入れ単価が高くなる場合もあります。そのため、購入時の価格だけで判断すると、割高に感じることも少なくありません。

比較する際は、実際に調理に使える可食部の割合や廃棄量まで含めて確認しましょう。実際に使用できる量を基準に比較すれば、費用を抑えやすい食材かどうかを判断しやすくなるはずです。

調理済み食材を活用する

完全調理品やクックチル食材などの調理済み食材を取り入れると、必要な提供数に合わせて食材を使いやすくなります。

余分な食材を抱えにくくなれば、必要以上に食材を購入する状況も避けやすくなります。使用量や廃棄量を抑えられれば、食材の購入量を見直し、食材費の削減につなげられるでしょう。

全てのメニューを切り替えるのではなく、施設の食数や運営体制に合わせて、取り入れやすい範囲から活用するとよいでしょう。

食材の仕入れ先をまとめる

複数の業者から食材を仕入れている場合は、仕入れ先をまとめる方法もあります。取引先を集約すれば、発注量や購入金額をまとめて把握しやすくなり、発注量の見直しがしやすくなるでしょう。

例えば、冷凍・冷蔵・常温の食材に加え、一般的な食材から介護食まで幅広く扱う給食事業者や給食会社であれば、複数に分かれていた仕入れをまとめられる場合があります。仕入れ状況を整理することで、必要な量を確認しながら食材費を管理しやすくなります。

ただし、仕入れ先が少なければよいわけではありません。価格や取扱商品だけではなく、欠品時の対応や配送体制も比べ、必要な食材を継続して仕入れられるかどうかを確認しましょう。

献立作成サービスを活用する

給食事業者や給食会社による献立提案や献立作成サービスを活用すると、予算と栄養面の両方を踏まえて食材を選びやすくなります。食材費が変わった場合も、献立を組む段階で代わりの食材を検討できるためです。

例えば、これまで使っていた食材の価格が大きく値上がりした場合は、必要な栄養を補える別の食材に変更する方法があります。食材の置き換えだけではなく、メニューそのものを見直すこともできるでしょう。

価格の変化に合わせて献立全体を調整できれば、栄養面に配慮しながら予算を管理しやすくなります。

給食の食材費を見直す際の注意点

食材費の削減だけを優先すると、食事の品質や調理現場の運営に影響する可能性があります。給食を継続して提供できる体制を維持するには、価格以外の要素も考慮することが大切です。

ここでは、食材費を見直す際に確認したい注意点を解説します。

食事の品質や栄養面を考慮する

食材費を抑える際は、価格だけではなく、食事の品質や栄養面にも配慮しましょう。コストを優先して料理の量を減らしたり、安価な食材に変更したりすると、味や見た目に影響する場合があります。人気メニューの提供を減らせば、利用者の満足度が低下する可能性もあるでしょう。

特に病院や介護施設などでは、利用者の状態に応じた栄養量や食べやすさへの配慮が欠かせません。食材を変更する場合は、価格だけで判断せず、必要な栄養量や食事の内容を確認しながら見直しましょう。

調理現場の負担を増やさない

食材費を見直す際は、栄養士や調理スタッフの作業負担を増やし過ぎないことも重要です。コストを細かく管理するために計量や記録を増やしたり、安価な食材への変更によって下処理が増えたりすると、既存の調理業務に影響する可能性があります。

そのため、食材や管理方法を変更する際は、新たに必要となる作業や時間も確認しておきましょう。現在の人員体制で対応できるかどうかを整理し、日々の業務に無理が生じない範囲で見直すことが大切です。

給食事業者・給食会社を活用し、無理のない原価管理につなげよう

給食の食材費は、原材料価格の上昇だけではなく、円安やエネルギー価格、人件費、物流費など、さまざまな要因から影響を受けて高騰しています。原価管理を見直す際は、食材の仕入れ価格だけではなく、廃棄量や作業負担なども含めて確認することが大切です。

食材費を抑えるには、価格が安定している食材への置き換えや、カット食材・調理済み食材の活用、仕入れ先の集約、献立作成サービスの利用など、複数の方法があります。食事の品質や現場の負担にも配慮しながら、運営体制に合った方法で見直しましょう。

株式会社ニッカネでは、冷凍・冷蔵・常温の食材をまとめて仕入れられる三温度帯一括配送による食材調達の集約をはじめ、カット食材や調理済み食材、献立の提案などを行っています。複数に分かれていた仕入れをまとめながら、食材の選び方や調理工程まで一緒に見直せるため、食材費と現場の業務負担の両方を改善したい場合にも活用いただけます。食材費や業務負担を抑えたい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。